食欲があるのに犬が下痢をするとき
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かわいい愛犬のお口が臭うと、少し残念ですよね。ですが、口臭がある場合は、疾患やトラブルを抱えている可能性があるので注意が必要です。
本来であれば健康な犬には口臭がありません。もし何か不快な匂いがするのであれば、体になんらかのトラブルがあったり日頃のお世話に原因があると考えられます。
口臭の原因はさまざま。自宅ですぐに対応できるものから、病院を受診しないと治らないもの、進行していく病気の初期症状のこともあります。
たかが口臭と侮らず、常に注意を向けることが必要です。また、気になる症状に当てはまった場合は、獣医師の診察を受けるようにしてください。
犬の口臭を取り除く方法は、単純に「口臭の原因となっているもの」を取り除くことが大切です。口臭は普段の生活の中に原因があることや、何かの病気が原因で発生しています。そのため、それらの原因を解決することで口臭は取り除くことが可能です。
前述の通り、犬の口臭は「ただ口が臭い」以上の大きな意味を持つことがあります。多くの場合で歯周病などの病気が潜んでいます。
犬の口臭の原因は多岐に渡ることを記載しましたが、犬の口臭はその原因によって臭いの種類が変わるものとなります。ここでは臭いの種類と原因をセットでご紹介し、それぞれの緊急度や対処法をご案内します。
犬の口臭の原因で最も多いのは歯周病と言われており、犬にとって最も身近な病気の一つとも言えるほど罹患率が高い病気であり、一生のうちで多くの愛犬たちが経験するものです。
一方で、重症化すると食事のたびに強い痛みがあったり、全ての歯を抜く必要があったり、鼻と口がつながるほどの大きな穴が空いてしまうなど、恐ろしい病気の一つでもあります。
全ての愛犬に共通する話でございますので日頃から多くの飼い主さまが歯周病には注意しており、当院にも歯とお口のメンテナンスとして日常的にいらっしゃる方もおられます。そのため、もし腐敗臭のような口臭を感じ取った際には、すぐに動物病院を受診することをおすすめしています。
歯周病とは、歯肉、骨、その他の歯の構造に悪影響を及ぼす口の中の細菌によって引き起こされる進行性の病気です。歯周病の中でも、主に初期段階を「歯肉炎」、症状が悪化すると「歯周炎」と一般的に呼ばれています。歯周病は歯茎の下の部分で起こるため、多くの場合は病気が進行するまで気づかないことが多いです。
歯周病は愛犬の歯の表面に付着した細菌が集まって歯垢と呼ばれる細菌の塊を形成することから始まります。歯周病は、この歯垢中の細菌バランスが変化し、歯周病を引き起こす悪い菌が増殖し炎症を引き起こした結果として発症します。
歯垢が付着して約3日ほどで、犬の唾液の中に含まれるミネラルにより、歯垢が歯石に変化します。歯石は非常に強い力で歯に付着するため、歯ブラシでは除去できません。歯石が付着すると歯の表面はザラザラとしたものとなり、さらに歯垢が付着しやすくなります。これらを繰り返し、歯周病菌が増殖した結果、歯茎に炎症が発生します。
こうして増殖した歯周病菌が食べ物のカスを分解するときに発生させるガスや、炎症を起こした組織からの出血による悪臭が「生ゴミのような腐敗臭」の正体です。
また、口腔内腫瘍が原因のこともあります。
これは、良性腫瘍と悪性腫瘍がありますが、悪性腫瘍だった場合には、口腔粘膜や歯肉だけでなく、骨組織までもが激しく破壊されていくために、歯周病と同じく腐敗臭のような臭いを放つことがあります。
口腔内に悪性腫瘍が発生している場合、犬自身にお口周りの痛みや、違和感による食欲の低下が見られたり、上手に食べられず、食べこぼしが目立ったりと、口臭以外にも別の症状が目立ちます。
酸っぱい臭いがする場合、胃腸の不調が原因の可能性があります。例えば、胃に炎症があるときは胃酸が過剰に分泌されるため、酸っぱい臭いを感じることがあります。
胃に炎症が起きている時は、感染症や疾患が隠れている可能性がありますので、なるべく早く動物病院を受診すべきです。胃酸が多く分泌されている時は同時に嘔吐が見られる場合もありますので、もし嘔吐が見られた際にはすぐに動物病院を受診しましょう。
アンモニア臭が気になる場合には、腎臓や肝臓が正常に機能しておらず、普段であれば体の外に排泄されるはずの物質が体内に留まってしまい、アンモニア臭が発生している可能性があります。これも、慢性的な疾患が隠れていることがあるので、受診をおすすめします。
稀ですが、犬のお口から便の臭いを感じたら、口腔内のトラブルや重度の便秘が原因のこともありますが、腸閉塞や腸捻転など、さらに重篤なトラブルが体内で起きている場合があります。
重積といって、何らかの原因で腸管に変形を起こしている場合や、異物の誤飲などで腸閉塞になっていることも。
このとき、腸の動きが阻害されているために、便のような臭いがあったり、実際に便のようなものを嘔吐したりすることもあります。
口臭の他にも、強い腹痛でたびたび苦しんでいる様子が見られたり、明らかに元気がない様子、激しい下痢、もしくはまったく便が出ないなど深刻な症状が見られたら、命に関わるため、早急に病院へ。
犬の口腔内は、通常は唾液で潤っています。ですが、何らかの原因でお口が乾燥すると、口臭を生じることがあります。口腔内の乾燥により、唾液の水分も不足し、粘度が増して凝縮されることで魚のような「生臭さ」が発生します。
単純にお水を飲む量が少なかったり、暑い季節で口を開けてハアハアと口呼吸(開口呼吸)が多くなったりすることが影響している場合があります。犬が口呼吸しているときは、いつもより多めの水分補給で様子を見てみましょう。
犬が過ごしているお部屋の温度が適切か、環境面でもチェックを。犬がよく過ごしている場所に冷感加工されているシートを置いてあげるなど、工夫できることがあれば、取り組んであげましょう。
もし水分が十分に与えられている環境でかつ、お部屋の温度も適温となっているにもかかわらず口呼吸が止まらない場合、鼻のトラブルが起きている可能性があります。鼻炎など鼻のトラブルが原因で鼻詰まりになっていて苦しい時にも口を開けた状態での呼吸がみられますので、常に口が開いている場合は鼻炎などの疾患がないか、獣医師の診察を受けましょう。
上記のように、犬の口臭には様々な種類があり、その原因も複数個存在します。
多くの場合で病院にかかることが必要になるため、違和感を感じた際にはまずは動物病院に相談することがおすすめです。
また、普段与えているフードの劣化も犬の口臭の原因となります。開封から時間が経つほど、フードの中に含まれる脂質の酸化により劣化します。与えているごはんの管理に問題がないか、フードが酸化していないかチェックしてみましょう。
▼KINSWITH動物病院での歯周病治療の流れを見てみる
犬の口臭の原因について知ったところで、受診が必要なケースについておさらいしてみましょう。
まず、口腔内が乾燥していないか、常に口呼吸になっていないかをチェックします。お水を飲んで臭いが気にならなくなった場合は、様子を見ていただいて構いません。
常に口を開けた呼吸になっている場合は、鼻炎などが疑われますので、症状がひどくならないうちに受診しましょう。腐敗臭のある場合は歯周病など愛犬自身も辛い思いをしている可能性があるので、早めに病院を受診するようにしましょう。
当院では検査に加え、経験のある歯科獣医師による確認で、口臭から歯周病や歯肉炎を発見することも多々あります。犬の口臭が気になる場合はご来院ください。
また、口臭以外の症状やいつもと変わった様子が続いている場合などは、いずれも早めの診察が必要な可能性が高いので、なるべく早く獣医師の診察を受けましょう。
犬がぐったりしていたり、激しい下痢や嘔吐を伴っている場合、まったく便通がないなど、異常を感じたらすぐに受診するようにしてください。
歯周病など、口腔内細菌が原因となって引き起こる口臭に関しては、治療に加え、サプリメントなどでのケアによって改善や良好な予後が見込めます。
口腔内細菌にも悪玉菌と善玉菌がありますが、歯周病菌など悪玉菌の発生を抑え、善玉菌が優位になるようにコントロールすることで、口臭を軽減できるという研究結果があります。
KINS WITH 動物病院では、口腔内細菌・腸内細菌に代表される常在菌や、プロバイオティクスの観点から全身の菌のバランスを整えていくことで、感染症などに対しての免疫機能を向上し、トラブルリスク自体を軽減していくことを目指しています。
犬の口臭や、菌ケアが気になった方は、是非一度犬とご来院ください。
お悩みに寄り添いながら、いろいろなアプローチをご提案させていただきます。
犬のお口の健康を保ち、ご家族も一緒に笑顔で過ごせますように。
KINS WITH動物病院、院長の岡田純一です。当院では愛犬さん、愛猫さん、ご家族の抱えるトラブルに対し、症状をなくすことはもちろん、なるべく根本から解決することを目指しています。
高性能な機器を用いた安全で正確な処置はもちろん、常在菌に着目したアプローチや、お家での生活に対するアドバイスまで丁寧に対応致します。
もちろん手技の技術を向上させるための鍛錬も日々欠かさず行なっております。
愛犬さん、愛猫さんとご家族が元気いっぱいで幸せな時間をなるべく長く過ごすお手伝いができるよう、努めて参ります。よろしくお願い致します。