【ゼリー状の犬の下痢】ケーススタディ

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杉本 太一 先生
KINS WITH 動物病院 獣医師

わんちゃんの便の状態が気になることありませんか?

本人(わんちゃん)は元気なのに、なんか便の状態が…

今回はゼリー状のものが混ざる粘液便(粘膜便)の経験談を集めてみました。

受診の目安になるエピソードもあると思いますので、現在症状がなくても、わんちゃんにゼリー状の便が見られた時に落ち着いて対処してあげるためにも、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

犬の下痢がゼリー状のとき

わんちゃんの便が下痢でゼリー状という場合のQ&Aとエピソードは次のとおりです。

数日間続く軟便とゼリー状の…

Q.

この数日間、うちの子に軟便が見られます。たまにネバネバしたゼリー状のものがまとわりついた感じで下痢もあります。

1時間に1回ほど、便の量自体は少ないですが、いつもより回数が多いのも気になっています。

様子は普段と変わらず元気で、食欲もありすぎるくらいです。

どうしたらいいでしょうか。

A.

わんちゃんにゼリー状の下痢が見られる場合の多くは、腸炎です。

回数が増え、一回の量は少ないことなどから、大腸や直腸での炎症が推測されます。

ゼリー状のものは腸内の粘膜や粘液で、炎症が起こっているために過剰に分泌されていることがわかります。

腸炎にもストレス、消化不良、感染症、誤食、腫瘍(ガン)など様々な原因がありますので、その特定をしなければなりませんが、

このわんちゃんは下痢便以外に具合の悪い様子のエピソードがありませんので、上記の初期治療でも改善しない場合や状態が悪化する場合はが隠れていることもありますので、一度獣医師に相談して検査を受け、原因を特定しましょう。

【ゼリー状の犬の下痢】うちの子エピソード

ゼリー状だった犬の下痢に関する主なエピソードは次の3つです。
ご参考にしてみてくださいね。

小さい頃はよく下痢がありました

いま7歳になるうちの犬は、スライムみたいなヌルヌルのウンチがよく出ていました。1歳になる頃まで頻繁に下痢があって、大きくなってからも胃腸はそんなに強くない様子なので、食事や乳酸菌サプリメントなどで日々腸活。今も消化に負担にならないように気をつけているので、下痢の症状はほとんど見られなくなりました。

獣医さんに見てもらってひと安心

我が家の犬も、粘膜便と嘔吐が同時にあって、病院に行きました。

「便にゼリー状のものが見られる場合は大腸の生理的な防御反応です」と教えてもらいました。

急性胃腸炎が疑われ、1週間下痢止めと吐き気止めを処方されました。

嘔吐はすぐ止まり、4-5日目ほどで便は固まりはじめ、今では回復していますが、獣医さんに見てもらうことで飼い主としては安心できたところもあります。

病名が判明して納得して病気と向き合える

普段からちょっと柔らかめの便で、時々下痢になるのでその都度下痢止めを内服してきました。ゼリー状の便に血液が付着し、最近体重も減ってきているので専門診療を受けることに。

内視鏡検査をしたところ「低悪性度の消化管型リンパ腫」と診断。宣告された時はかなりショックでしたが、抗がん剤を開始して今では本当に病気なのかと思うほど元気に毎日を過ごしています。

犬の下痢は受診してから様子を見るべき

ここまで、いくつかのおうちのわんちゃんの下痢のエピソードを見てみましたが、

体質的なものである場合でも、やはり一度は獣医師の診察を受けて原因特定することが大切。

下痢によって脱水症状に陥りやすいので、水分補給はこまめに行いましょう。首の後ろの皮を少しつまんでみて、戻りが悪い場合は脱水状態の目安になり、うまく水分が取れていない、もしくは下痢や嘔吐などの消化器症状で体液を喪失している可能性があります。すぐに病院を受診しましょう。

KINS WITH動物病院 二子玉川院では、愛犬が下痢などを起こした際の診察を受け付けています。愛犬の体調が悪いと不安なことも多いかと思いますが、獣医師・看護師が寄り添ってできるだけ早い回復ができるような治療に努めています。


KINS WITH動物病院 二子玉川院の消化器内科への相談はこちらから

関連記事:犬の下痢・主な原因と対処法は?

愛犬の腸の機能を保つために

エピソード内にもありましたが、もともと消化機能が強くないわんちゃんもいます。

大好きなごはんをたくさん食べてしまうことで下痢になったり、消化不良を起こします。

そんなわんちゃんをはじめ、大切な腸内環境の強化にひと役買ってくれるのがプロバイオティクス。

わんちゃんの腸活はこれからもっと注視されると思いますが、その理由としては、免疫機能と腸内環境が密接に関わっていることがわかってきているから。

人も腸活の時代ですが、もちろんわんちゃんも腸活で健康を底上げすることができます。

そして、下痢症状にとどまらず、皮膚病など、他の疾患においても、腸内細菌を含めた常在菌のバランスコントロールに大きな鍵が。

KINS WITH 動物病院ではプロバイオティクスを代表する、菌ケアの視点からも診察に取り組んでいます。

これまでの薬や治療法に加え、新たなアプローチや負担の少ない治療が可能な場合もあります。

ゼリー状の下痢に悩んでいるわんちゃんはもちろん、

大切なわんちゃんの健康について、ぜひお気軽にご相談くださいね。

KINS WITH 動物病院二子玉川院 杉本先生
消化器内科の治療を担当する先生
KINS WITH動物病院 二子玉川院
獣医師 杉本太一

東京都世田谷区 玉川3丁目15-13
EXPARK二子玉川 1階
電話番号:03-6447-9230

二次診療施設で消化器内科医として診療に従事してきました。これからは身近に相談できる消化器内科医として、皆さんのお悩みを一緒に解決していきたいと思います。