7才中型犬の歯周治療|なるべく歯を温存して歯周病を治療した症例

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監修した先生

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岡田 純一 先生
KINS WITH 動物病院 院長

今回は、歯周病が進行してしまった7歳のシバちゃんをご紹介します。
歯周病が重度に進行していた子ですが、ご飯を噛む機能をなんとか残すために歯周治療をおこないました。また、両方の上の奥歯が折れていたので治療をおこないました。

1. 治療の概要

 ⚫︎大きさ 中型
 ⚫︎犬種  柴犬
 ⚫︎年齢  7歳
 ⚫︎性別  去勢雄
 ⚫︎体重  7kg
 ⚫︎症状  口臭、歯石沈着、奥歯が折れている、口をクチャクチャする
 ⚫︎病名  歯周炎(重度)、歯冠破折(露髄なし)
 ⚫︎処置  歯石除去、抜歯、歯周治療
 ⚫︎処置時間 4時間
 ⚫︎費用  20〜25万円程度
費用に関しては、ご加入されている保険が適用できる場合もあります。保険適用されるかどうかは加入されている保険会社にお問い合わせください。

2. 実際の症例

こちらでは、ご来院時の状況や治療の流れをくわしくご紹介します。

2-1. ご来院時の状況

歯周病の治療を目的に来院されました。
両側の上側の奥歯と前歯が割れており、左側は歯髄(血管と神経)が露出していました。
強い口臭があり、歯根が外から見えている状態で重度の歯周病と考えられます。

2-2. 検査結果と治療方針

(左写真:左上顎第四前臼歯、右写真:右上顎第四前臼歯)
レントゲン検査をした結果、左の奥歯は露髄した影響で歯根の先に病気ができていました。根尖病変といい、歯の中に感染した細菌の影響で生じます。今回は抜歯して反対側の露髄していない歯の歯周治療をして噛み合わせを温存することになりました。

左下顎の1番奥の大きな臼歯です。歯根の周囲の歯槽骨(顎の骨)が歯周病により破壊され、黒く抜けています。

右下も大きく骨が破壊されています。歯根の分岐部が露出していると、根分岐部病変とよばれます。この歯のように完全に分岐部が露出していると抜歯せざるを得なくなりま

2-3. 治療の流れ

治療の流れとしては、まず歯石を除去し、口腔内をきれいにします。その後、歯科専用レントゲンで温存が難しいと判断した歯の抜歯をおこないます。残せそうな歯や特に残したい大きい奥歯(裂肉歯)は、歯根の周囲の歯石などの汚れを徹底的に除去します。外から見えない汚れがありそうな場合は、歯肉を一部剥離して歯根を肉眼で確認しながら除去します。その後歯肉は縫合して元の位置に戻るようにします。

2-4. 術後結果

完全に折れていた歯と重度の歯周炎の歯を抜き、右奥歯でも噛めるように歯冠修復をおこないました。歯根が露出していたため、抜歯も選択肢にありましたが、飼い主さまと相談した結果残すことにしました。

歯科に特化したKINS WITH動物病院 二子玉川本院では、できるだけ歯を残して健康的な生活が送れるような治療をご提案しています。重度の歯周炎や歯が折れてしまった場合などは抜歯をすることもありますが、症状や飼い主さまのご要望に応じて最適な治療プランを提案させていただきます。まずは、相談からでも大丈夫ですので、お気軽に以下のページをご確認いただき、ご予約ください。

KINS WITH動物病院の歯科診療

3. 治療後の経過

初回の処置から半年経過して麻酔下での再処置を行った際のレントゲンです。左右ともに、歯槽骨が増えましたが、まだ右下の歯は骨のない部分があります。右下の歯の追加治療として、骨充填材(骨の材料になる粉末)などを補充して骨の再生を促す方法があります。今回は飼い主さまと相談し、再度クリーニングをおこなった上で、経過観察することとなりました。

右上奥歯の歯も維持できており、右でご飯をかめているそうです。

4. 担当獣医師からの一言

今回は歯周病が進行してしまった愛犬の歯周治療をご紹介しました。
破壊された骨を完全に元通りにすることは困難ですが、抜歯をしなくてはいけないような状態から改善させることが可能です。裂肉歯や犬歯など、機能的に重要な歯ほど歯周病が進行してしまいますが、なるべく温存してあげられると生活の質を保ってあげられると思っています。進行してしまった場合は、獣医師の治療が必要ですが、なるべく進行しないよう普段からの歯磨きをするようにしてくださいね。

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担当医師のご紹介
二子玉川院 院長 岡田 純一

KINS WITH動物病院、院長の岡田純一です。当院では愛犬さん、愛猫さん、ご家族の抱えるトラブルに対し、症状をなくすことはもちろん、なるべく根本から解決することを目指しています。
高性能な機器を用いた安全で正確な処置はもちろん、常在菌に着目したアプローチや、お家での生活に対するアドバイスまで丁寧に対応致します。
もちろん手技の技術を向上させるための鍛錬も日々欠かさず行なっております。
愛犬さん、愛猫さんとご家族が元気いっぱいで幸せな時間をなるべく長く過ごすお手伝いができるよう、努めて参ります。よろしくお願い致します。