食欲があるのに犬が下痢をするとき
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わんちゃんの歯周病の原因にもなる歯石。歯磨きで歯石を予防すれば、歯周病の予防に繋がることは、ご存知の方も多いことでしょう。では、歯石はどのようにできているのでしょうか。今回は、わんちゃんの歯石のでき方と歯磨きの重要性についてお話ししていきます。歯垢と歯石の違いに触れながら歯石のでき方について一緒に学び、毎日の歯磨きに活かしていきましょう。
歯垢は「プラーク」と呼ばれ、歯に付着する「白い粘着性の膜に包まれた菌の塊」のことを言います。犬の口の中の細菌が、ご飯を食べた後の食べかすや唾液のネバネバとくっつき、綺麗な状態から8時間時間程度で歯垢の形成が始まります。24時間程度で歯垢の中に歯周病菌などの悪性の細菌が増殖してきます。歯垢は歯磨きで取り除くことができますので、毎日の歯磨きが非常に大切です。
また、犬の口の中の細菌は糖質などの炭水化物を好み、歯垢の蓄積を早めてしまいやすいと言われています。甘いおやつは与えすぎず、与えたら歯磨きを忘れないようにしましょう。
愛犬の歯に歯垢が増えてきた場合、口臭や歯茎の炎症、歯の変色などが見られることがあります。その場合は、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
歯磨きなどで歯垢が取り除かれないままでいると、歯垢は犬の唾液に含まれるミネラル成分と結合することで石灰化が始まり、そのままにしておくと最終的に歯石になってしまいます。
歯石ができてしまう前に、毎日の歯磨きで歯垢を取り除くことが歯石予防のポイントだと言えるでしょう。
歯石の表面はざらざらしており、細菌が繁殖しやすい環境です。細菌の住処となりやすいこの環境では、歯肉炎(初期段階の歯周病)を引き起こす可能性が高くなります。また、歯石は口の中の問題だけではないのです。口の中の細菌は時として血管に入り込み、血流に乗って全身に流れます。その結果、腎臓や心臓などの臓器に細菌が影響を与えてしまう可能性があるので気をつけなければなりません。さらに、歯石は歯磨きでは除去することができず、獣医師による全身麻酔下での専門的な器具を使用した歯石の除去「スケーリング」を行うことが必要になってしまいます。
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残念ながら一度付いてしまった歯石は、歯磨きでは除去することができず、獣医師による全身麻酔下での専門的な器具を使用した歯石の除去「スケーリング」を行うことが必要になってしまいます。
また、家庭でも気軽に歯石が取れるよう歯石取り用のペンチや器具が市販されていますが、基本的に犬の歯石取りの処置は家庭で行うにはリスクの大きなものであると考えていただけるとよろしいかと思います。
余程のことがない限り、愛犬たちは歯石取りを嫌がりどうしても動いてしまいます。歯石取りの器具には鋭利なものが多く、ふとした拍子に口腔内の粘膜や鼻、目などを傷つけてしまう可能性があり大変危険です。
結論、自宅での歯石取りは非常に難しいものとなります。そのため、歯石ができてしまう前の歯垢の段階でしっかりと磨き落とすことが大切です。日々の歯磨きを習慣化して、歯石ができる前に対処していきましょう。
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KINSWITH動物病院での歯石取りの流れはこちらでご紹介しています
歯垢は歯磨きで除去することができ、歯石は歯垢が取り除かれないまま放置されることで形成されます。つまり、歯垢を歯磨きで除去すれば、歯石の予防が可能なのです。
また、歯石は表面がざらざらしているため、細菌の住処となりやすく歯肉炎の悪化因子となることもお話ししました。さらに、歯肉炎が放置されてしまうと歯周病に進行する可能性もあります。歯周病は、抜歯が必要になる可能性もありますし、口の中の細菌が血流に乗って体全体に行き渡り、腎臓や心臓の病気を招いてしまう可能性もあります。
毎日の歯磨きで歯垢を取り除き病気の予防につながるかもしれません。
そして、上にも述べましたとおり、獣医師によるスケーリングにはわんちゃんに全身麻酔が必要になります。短頭種のわんちゃんや持病を持っているわんちゃんの飼い主さまは心配なこともあるでしょう。
毎日の歯磨きがわんちゃんの安全で健康的な生活につながるとわかれば、歯磨きの重要性がご理解いただけるのではないでしょうか。
とはいえ、歯磨きが苦手なわんちゃんは多いと思います。最後は、歯磨きが苦手なわんちゃんへの歯磨きの工夫や歯磨きの補助的な役割のある道具やフード、定期的な歯科検診でのクリーニングについてご紹介します。
わんちゃんの歯を磨くのに使われるものは、わんちゃん専用の歯ブラシや歯磨きシート、コットン製の指サックのようなものなどがあります。わんちゃんが子犬の頃からの歯磨きの導入が理想的ではありますが、歯磨きが苦手なわんちゃんには少しずつ慣れさせることから始めましょう。
例えば、美味しい香りのするジェルなどを付けて歯磨きすることで、歯磨きへの苦手意識が「美味しい」に変わり、歯磨きに慣れてくれるかもしれません。
また、シート状のものやコットン製のものであれば、少しずつ歯や歯茎、口の中全体を軽くマッサージすることから始めてもいいかもしれません。口の中に触られても大丈夫という気持ちになってくれたら大成功です。
注意点として、乳歯の生え変わりが終わってからすぐの歯磨きは推奨されません。と言うのも、乳歯の抜けた後の傷が痛むため、わんちゃんが歯磨きを嫌がるようになってしまうからです。
子犬の頃は綿棒で触るなど、口周囲を触る練習程度にとどめることをおすすめしています。
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噛むことで、わんちゃんの歯に付着した歯垢を取り除けるような設計がされたおもちゃを利用することもおすすめです。また、噛むことは唾液の促進にも繋がります。唾液には歯垢と結合すると歯垢の硬化につながってしまうミネラル成分も含まれていますが、唾液には抗菌作用もあり、唾液が増えることで歯垢を洗い流し除去することにも役立ちます。
噛むおもちゃの注意点としては、骨やプラスチック製の硬いおもちゃなどは歯が折れてしまったりする危険性もありますので、与えないようにしましょう。自然素材のロープのようなおもちゃがおすすめです。
また、わんちゃんの口の中を衛生的に保つのに役立つトリーツやドッグフードもあります。与える前に獣医師に相談し、その子にあったものを活用するとよいでしょう。
人間と同じように、わんちゃんにも定期的な歯科検診を行うことをおすすめします。自宅での歯磨きでは見落としてしまうようなところも、獣医師によって綺麗にクリーニングすることが可能です。年に一度は、わんちゃんの歯の定期検診を受けるようにしましょう。当院では、歯磨き練習を始めたばかりのうちは3ヶ月から6ヶ月に1回の歯科検診をお勧めしています。
歯磨きは、わんちゃんの口の中を衛生的に保ち歯の健康の維持が可能です。さらには、体全体の病気の予防にも繋がります。わんちゃんとの暮らしをより健康により長く続けるためにも、毎日の歯磨きが大切だと言えるでしょう。
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