【猫の麻酔】概要や注意点、家での過ごし方について
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猫の膀胱炎とは、猫のおしっこをためる役割をしている膀胱が炎症を引き起こす猫の下部尿路疾患です。膀胱炎は繰り返しやすく、猫ちゃんにとってもつらい病気。
深刻な状態になると尿道閉塞を起こしてしまうため、早めの対処がとても大切です。
猫の膀胱炎が疑われる場合、以下のような症状が見られます。
・おしっこの回数の増加(頻尿)
・おしっこをしているはずなのに出ていない
・おしっこ時の痛み(おしっこをしているとき鳴き声をあげる)
・おしっこに血が混じっている(血尿)
・トイレ以外でおしっこをする、おしっこを失敗する
・尿道口やその周辺を過度に舐める
・おしっこのにおいがキツくなる
・トイレにいる時間が長い
膀胱炎の原因は、膀胱結石や細菌感染によって引き起こされる場合や、特発性膀胱炎の場合では原因がはっきりしないことも。
また、特発性膀胱炎とストレスは強い関係があるとされています。
理由は、猫は不安などのストレスを感じると膀胱の保護層が斑状になり、尿に含まれる刺激の強い化学成分から膀胱を保護する役割を果たせなくなるからです。
猫ちゃんはストレスや痛みを感じていても、何ともないように隠すことが得意。注意深く観察しましょう。
ストレスを感じている時は以下のようなサインを示します。
・トイレ以外でおしっこをする
・いつもより引きこもったり、隠れたりする
・しゃがみ込んで緊張しているように見える
・食欲がない
・過食
・過度に鳴く
・嘔吐または下痢
・人や他の動物に攻撃的になる
・過度な毛づくろい
・睡眠の増加
・耳がピンと張って外を向いている(イカ耳)
・目を見開く
・ひげが前向きになる
できるだけストレスのない生活が送れるようにしてあげることが病気の予防につながります。引越や新しい家具の購入、多頭飼育や家族構成の変化など環境変化がある前後は注意が必要です。そして膀胱炎の兆候が見られたらいち早く病院へお越しいただくことが大切です。
猫の膀胱炎の診断には、尿検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを行います。膀胱結石や尿道結石、腫瘍、細菌感染などのはっきりした原因がわからない場合、“特発性膀胱炎”と診断します。
猫の膀胱炎は自然に治ることもありますが、その間、猫ちゃんは不快で苦しい思いをしてしまいます。なるべく早く治療をしてあげることが重要です。
治療は痛みや不快感を軽減する“鎮痛剤や抗炎症薬の処方”と“生活環境の改善”を基本とします。細菌性など原因がわかっている場合は、原因に対する治療を行います。
膀胱炎は繰り返しやすく、完治にはかなりの時間を要するため、根気強く治療を続けること、そして生活環境の改善に取り組んでいただくことを当院では推奨しています。
昨今はネットでお薬が簡単に手に入る時代。病院に連れて行かなくても市販薬を買って飲ませてみよう。と考える飼い主さまもいらっしゃると思います。しかし、正しく獣医師が診察し、症状や体格に合ったお薬の種類や用量、用法を守らないと、悪化してしまったり他の病気につながる可能性もあります。猫ちゃんは私たち人間のように症状や辛い思いを口にすることはできません。適切な治療を行うために獣医師にご相談いただくようお願いします。
猫の膀胱炎は一度発症してしまうと、その後は常に再発の不安がつきもの。
以下で紹介する①~③の生活環境の改善を行うことで、発症を防ぐことにつながります。まだ発症していない猫ちゃんの飼い主さまにもぜひ取り組んでいただければと思います。
・いくつかの場所、お部屋ごとに水を用意する
・お水をまめに取り替えて新鮮な状態にする
・容器はヒゲが当たらない広口のものにする
・容器の材質を変えてみる
・自分で押して飲める飲水器や流水式のものを試してみる(流水式は雑菌の発生に注意)
・冷たい水を飲みたがらない場合は、湯冷ましを与えてみる
・水飲み場とトイレを離れたところに設置する
・ウェットフードを与えてみる
・適切なpHバランスの取れた療法食に変えてみる(獣医師に相談しましょう)
・猫ちゃんの数+1箇所トイレを用意する
・落ち着いてトイレができるように騒がしい場所や人の多い場所に置かないようにする
・こまめにお掃除をする(1日に1回以上)
・キャットタワーなどで高いところや見下ろせる場所をつくる
・おもちゃで猫ちゃんと一緒に遊んだり、ふれあう時間をつくる
・隠れられる場所を作る
・爪とぎを設置する
大切な家族の一員である猫ちゃんが膀胱炎でつらい思いをしないよう、飼い主さまにもできることはたくさんあります。日々の生活の中でぜひ予防に取り組んでいただき、少しでも心配なことがあれば動物病院にご相談くださいね。
健康診断、予防接種、去勢避妊手術はもちろん、内科・ 消化器等の幅広い診療、終末期診療まで、たくさんのお悩みに寄り添いながら診察を行います。
愛犬・愛猫だけでなく、ご家族にも安心してお越しいただけるよう、基本的にはご家族の前で検査を行い、丁寧にお話を伺いながら診察を進めていきます。そのため、超音波検査も診察室の中に設置しております。
さらに、 血液検査機器を導入し、外部機関への依頼では数日かかる検査を、その場で見る事ができ、素早く診断、治療することへとつなげていきます。