【猫の麻酔】概要や注意点、家での過ごし方について
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猫ちゃんにはお口トラブルが起きやすいことをご存知でしょうか?それは歯が起因していることが多くあります。
基礎知識を知ることで猫ちゃんのお口の健康維持や病気の予防に役立たせていきましょう。
子猫は生まれてから2~4週間以内に、最初に生えてくる、“乳歯”が成長し始めます。
8週間以内に子猫は通常約26本の乳歯が生え揃い、その“乳歯”が抜け落ちて、大人の歯と言われる“永久歯”が生えてきます。生後6ヶ月になるまでに、“永久歯”が生え揃います。
猫の永久歯は上顎の歯16本+下顎の歯14本の合計30本。具体的には、
・12本の切歯(獲物をつかんだり、グルーミングの際に櫛のような役割をする歯)
・4本の犬歯(獲物を噛んで引き裂くための歯)
・10本の小臼歯(食べ物を細かく砕くための鋭い鋸状の歯)
・4本の臼歯(硬いものを噛み砕くための)
で構成されています。どの歯にもしっかりと役割があるため、抜けたり欠けたりしないようにすることが大切です。
歯の構造は最も中心部分は神経や血管が集まる“歯髄”、それを囲む“象牙質”、さらに表面は硬いエナメル質の3層で構成されています。猫ちゃんのエナメル質は、人間の歯より薄く、欠けやすかったり、折れやすいとされているため注意が必要です。
猫は人に比べて虫歯にはならず、歯肉炎や歯周病になりやすいと言われています。それは口内環境が異なるから。人の口内は弱酸性なのに対し、猫はアルカリ性です。アルカリ性の口内環境下では、虫歯菌が発生しにくく、歯周病菌が繁殖しやすい環境と言われています。反対に、私たち人間の酸性の口内環境では虫歯菌が繁殖しやすいと言えます。
お口トラブルの元となる歯垢は、人間と同じで歯と歯肉のあいだにある「歯周ポケット」と呼ばれる場所に溜まりやすいのですが、歯垢が歯石に変わるスピードは、猫と人間では大きく異なります。
人間では歯垢から歯石に変わるには約20日と言われていますが、猫は約7日と倍以上の速さで歯石になってしまうのです。歯石が形成されると歯の表面がザラザラになり、新たな歯垢が付着しやすくなります。歯石が新たな歯垢を付着させ、それがまた歯石となる•••といった悪循環が起こります。
歯垢が歯石になる前に早めのケアがとても重要なのです。
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私たち人間では、「甘いものを食べると虫歯になる」など、歯と食べ物の関係についてよく耳にしますよね。猫ちゃんの歯にも食べ物との関係があるのでしょうか?
猫ちゃんのごはんは、大きく分けてドライフードとウェットフードの2種類があります。
いくつかの研究によると、ドライフードを食べている猫ちゃんの方が、ウェットフードを食べている猫ちゃんに比べて歯垢や歯石の付着が少なく、口内環境が良いとの見解があります。それは、ドライフードの方が咀嚼することが多くなるからです。
噛み砕いたドライフードの破片が歯を擦ることで、歯垢や歯石を落とすとされています。
しかし、ある程度の大きさがないとしっかり咀嚼することがないため(小さいと噛まずに丸呑みしてしまうため)、ドライフードを食べている全ての猫ちゃんの口内環境が良いということではありません。
歯の健康に特化したドライフードがありますが、咀嚼することを増やすために粒が大きいものが多いです。ドライフードを食べている猫ちゃんは、粒の大きさを見直してみてもいいかもしれません。
ウェットフードを食べている猫ちゃんは歯磨きや噛むことに特化したおやつなど、ごはん以外で気をつけることで、より良い口内環境を保つことができます。
猫ちゃんは痛みやストレスを感じていても隠すことが得意。一見元気そうに見えるかもしれませんが、病気の元が隠れていることも。
言葉や素振りで表現できない分、私たち飼い主が日々しっかりとデンタルケアや健康観察を行ってあげることが重要です。
日頃から猫ちゃんの口や歯の様子に関心を持っていただくことをどうかお願いいたします。また日頃から定期検診を受けておくことでは早期治療や予防にも繋がりますのでおすすめです。
何か異変があった際は、すぐに動物病院で診てもらうようにしましょう。
大切な家族の一員である猫ちゃんのお口をチェックしてみませんか?飼い主さまのチェックが猫ちゃんのお口の病気の早期発見につながります。たくさんチェックするポイントがありますが、何か異常があった場合はそれは猫ちゃんからのサインです。日頃から注意して観察してみましょう。
・歯や歯茎に変色がみられないか
・歯茎にハリとツヤがあるか
・歯茎から出血はないか
・口臭がキツくないか
・よだれが多くないか
・歯が折れたり、抜けたり、傾いたりしていないか
・口まわりを触られることを嫌がらないか
・顔をこすったり、口の辺りを気にしたりしていないか
・元気や食欲がなくなっていないか
・以前より食べるのに時間がかかっていないか
・かたいものを食べなくなっていないか
・食べ方がいつもと違わないか(片側だけで食べているなど)
・食事中によくこぼしてないか
・口のなかに入れたものをすぐ出してしまわないか
・性格が凶暴になったりしていないか
・隠れていることが多くなっていないか
大切な家族の一員である猫ちゃんがお口のトラブルでつらい思いをしないよう、定期的な歯科検診や日々のデンタルケアに取り組んでいただきたいと思います。また猫ちゃんの歯に異変を感じた時はそのままにせず、早めに動物病院で診察をしてもらうようにしましょう。何かお困りのこと不明なことがありましたらお気軽に動物病院にご相談くださいね。
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