【猫の麻酔】概要や注意点、家での過ごし方について
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猫ちゃんがお口を開けたとき、ちらっと見えた歯に黒い点や線(筋)が見えたことはありませんか?今回は猫ちゃんの歯が黒くなることについてのお話です。
猫の歯の基本的な知識や、歯が黒くなる原因は何なのか、また、歯のケアについても説明していきます。
大切な猫ちゃんの歯の仕組みを知り、歯の病気の予防や治療に役立てて見ませんか?
まず猫ちゃんの歯の基本的な知識について見ていきましょう。
猫の歯も私たち人間と同じように、生まれて最初に生えてくる“乳歯”があり、それが抜け落ちて、“永久歯”が生えてきます。
猫の永久歯は上顎の歯16本+下顎の歯14本=合計30本。
歯の構造は、最も中心部分は、神経や血管が集まる“歯髄”、それを囲む“象牙質”、さらに表面は硬いエナメル質の3層で構成されており、とても丈夫にできています。
猫は人に比べて「歯周病」になりやすいと言われています。人の口内は弱酸性なのに対し、猫はアルカリ性です。猫のアルカリ性の口内環境下では、虫歯菌が発生しにくく、歯周病菌が繁殖しやすい環境です。反対に、私たち人間の酸性の口内環境では虫歯菌が繁殖しやすいと言えます。
また、歯垢が歯石に変わるスピードも猫と人間では大きく異なります。
人間では歯垢から歯石に変わるには約20日と言われていますが、猫は約3日と倍以上の速さで歯石になってしまうのです。歯石が形成されると歯の表面がザラザラになり、新たな歯垢が付着しやすくなります。歯石が新たな歯垢を付着させ、それがまた歯石となる•••といった悪循環が起こります。
歯垢が歯石になる前に早めのケアがとても重要なのです。
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猫は虫歯菌が発生しにくい?ではあの黒いのは何?
黒い点がある場合や、歯の根元が黒くなっている場合、また黒い線(筋)がある場合も。それでは、本題の猫ちゃんの歯が黒くなる理由について見ていきましょう。
「歯の吸収」と聞いても、しっくりこない方が多いのではないでしょうか?
歯の吸収とは歯の一部が溶けて、歯に穴があいたようになる病気です。
放置しておくと徐々に穴(病巣)が大きくなり、歯の根元やその穴が黒く見えることがあるため、虫歯と思われることがありますが、虫歯のように細菌(虫歯菌)によるものではないとされています。しかし虫歯のように強い痛みを感じるようになります。
症状が進むと、歯の根の部分(歯根)を残して歯が折れてしまうことも。
その場合は、残った歯根に炎症を起こしてしまう可能性があります。、治療としては、原因を元から取り除くために抜歯を行うことが必要となります。歯の吸収のはっきりとした原因は、残念ながらまだわかっていません。
猫ちゃんに上記のような症状が見られた場合は、症状の進行や痛みを止めるために早めに獣医師に見てもらいましょう。
落下事故や交通事故、硬いおやつやおもちゃなどを噛んだりすることで歯が折れたり欠けたりしてしまうことがあります。すると中心部で守られているはずの歯の神経(歯髄)がむきだしになって感染・炎症を起こします。(歯髄炎)、そのまま病気が進行すると神経が壊死してしまいます。(歯髄壊死)。歯髄が壊死した歯は変色してしまい、健康な歯に比べると黒っぽく見えることがあります。
残念ながら壊死してしまった神経や、変色してしまった歯は元に戻すことはできません。
そのまま放置しておくとさらに炎症が広がり、周辺の歯や組織に影響するため、早期に治療を行う必要があります。
治療方法は、壊死した神経を取り除き、患部をきれいに掃除をしてから新たな細菌が根管に侵入しないように詰め物で封鎖します。状態が悪い場合は抜歯が必要となることもあります。
歯が折れたまたは欠けた場合、そして歯が黒くなっていることに気付いた場合は早めに獣医師に見てもらいましょう。
歯の表面が黒い場合は、歯石に食べかすなどの汚れや色素が付着している可能性があります。この状態では病気ではありませんが、“猫の歯の基本知識”でお話ししたように、このまま汚れが付着したまま放置していると、歯垢から歯石へと約3日ほどで変わってしまいます。歯垢から歯石に変わり、その上に色素沈着してしまって黒く見えるようになります。
猫の犬歯に黒い線(筋)ができることがありますが、これも歯石の色素沈着によるもの。もともと猫の犬歯の表面には、獲物から流れ出た血が歯に付着しないよう、「血溝」(bleeding groove)と呼ばれる溝があります。そこに歯垢、歯石が溜まることで黒く見えるようになります。
歯の根元が黒くなっている場合も同じ。この場合は重度で、歯肉炎や歯周病も併発している可能性が高いです。
この歯垢と歯石の蓄積による悪循環を繰り返すと、歯肉炎や歯周病に繋がります。
歯垢や歯石が溜まる前にしっかりと歯磨きなどのケアを行うことで、色素沈着や歯肉炎、歯周病も防ぐことができます。
猫ちゃんの歯をキレイに保ち、健康に長生きできるように一緒に取り組んでみませんか?
今からだと遅いかも•••とお思いの飼い主さまも中にはいらっしゃると思いますが、少しでも猫ちゃんが辛い思いをしないよう、どうか一緒にケアや治療に取り組んでいただくことをお願いします。
今回は、動物病院での歯科検診と、お家でできるデンタルケアについてお話しします。
私たち人間も、歯医者さんに行って定期的に検診を受けるように、猫ちゃんも歯科検診を受けましょう。猫ちゃんはもともと痛みや辛さを隠す習性があります。そして私たちのように「痛い」「辛い」と言うことができません。一緒に暮らしている飼い主さまでも猫ちゃんの歯の異変に気づくことが難しいことも非常に多いです。定期的な獣医師による歯科検診を受けることで、早く異変を発見することができます。そして、今の猫ちゃんの歯の状態を把握できますので、猫ちゃんに合ったお家でのデンタルケアや日頃気をつける事などを知ることができます。
お家で出来るデンタルケアも様々な方法がありますが、やはり大切なのは“歯磨き”。
私たちも毎食後歯磨きをするように、猫ちゃんにも日々の歯磨きをしっかり行うことを当院では推奨しています。いきなり歯ブラシでの歯磨きは無理•••と思われる飼い主さまもいらっしゃると思います。最初はお口周りを触るトレーニングから始めて、次は歯磨きシートや味付きの歯磨きジェルなどそれぞれの猫ちゃんに合ったやり方で始めてみましょう。
お口周りを触れたり、歯や歯茎に触ることができたときは猫ちゃんをたっぷり褒めてあげて、歯磨きは嫌なものではないよ!と覚えてもらいましょう。
どうしても歯磨きができない猫ちゃんでも、歯垢や歯石の蓄積を減らすのに役立つよう配合されたキャットフードやおやつ、サプリなどもありますのでぜひ歯の健康を守るために取り組んでみましょう。定期検診の際に獣医師に相談してみるのも良いかもしれません。
大切な家族の一員である猫ちゃんが歯のトラブルでつらい思いをしないよう、定期的な歯科検診や日々のデンタルケアに取り組んでいただきたいと思います。また猫ちゃんの歯に異変を感じた時はそのままにせず、早めに動物病院へ行き、診察をしてもらうようにしましょう。何かお困りのこと不明なことがありましたらお気軽に動物病院にご相談くださいね。
歯周病や歯石、口内炎などの口腔内トラブルへの治療・ 予防、歯周外科、歯周組織の再生療法といった、幅広い歯科治療が可能です。
歯科レントゲンや都内でも導入件数が少ない高性能顕微鏡(マイクロスコープ)を導入し、 肉眼では見えにくい、小さな小さなトラブルも見逃しません。
マイクロスコープは人間の歯科クリニックでも導入されているクリニックは10%ほどと言われる最先端の 機器になります。
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お口のトラブルの際はお気軽にご連絡ください。