【猫の麻酔】概要や注意点、家での過ごし方について
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猫ちゃんがお口を開けたとき、ちらっと見えた歯茎がいつもより赤く感じたことはありませんか?今回はそんな猫ちゃんの歯茎についてのお話です。どうして歯茎が赤くなってしまうのか、健康な歯茎を保つためのケアについても説明していきます。
猫の歯茎は“健康の指標を示す”重要なチェックポイントの一つです。
健康な歯茎とはどのようなものなのか、具合が悪い猫ちゃんの歯茎はどのようなものなのか見ていきましょう。
健康な歯茎は通常、少ししっとりしていてツヤとハリがあり、淡いピンク色をしています。
歯茎を軽く押してみると、通常は白くなり、数秒以内にまた淡いピンク色に戻ります。しかし、すぐに元の色に戻らない場合は脱水症状、循環不良、または異常な血圧などが疑われます。早めの対処が必要ですので獣医師に相談しましょう。
赤くなっている歯茎や何か赤いできものができている場合は、歯肉炎や口内炎が原因の可能性が高いです。
歯肉炎は歯肉(歯茎)の炎症を指します。歯に付着した食べかすなどをエサとして口腔内細菌が増殖すると歯垢が形成され、その状態を放置するとやがて歯石となります。形成された歯石にはさらに歯垢が付着しやすくなり、歯垢から歯茎へと細菌が感染することで炎症を起こしてしまいます。この状態のことを歯肉炎と呼びます。
炎症を起こした歯茎は赤く腫れているように見え、猫ちゃんは痛みや不快感を感じていることも。そのまま放置すると歯周炎へと進行していくため、早めの治療が非常に大切です。
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口内炎の正確な原因はいまだ不明です。原因の一つに口腔内最近に由来する自己免疫疾患(外部からの細菌感染に対する、免疫の過剰反応)による発症があると考えられています。口内炎は非常に痛みを伴うため、食欲減退などの症状が現れることもあります。
歯肉炎や口内炎が起こっている場合、歯茎が赤いこと以外にも以下のような症状が現れることもあります。
・口臭が強い
・ご飯の食べ方が変である
・食欲、元気がない
・口周りを触ると嫌がる
・よだれが多く出る
・顔をこすったり、口の辺りを気にしたりする
・前足の先がよだれでぬれている(口を気にして触っている)
・歯茎から出血している
また、生後3カ月〜6ヶ月程度の猫ちゃんの歯茎の赤みが見られることも。
これは「若年性歯肉炎」の症状の可能性がありますので、症状が進行する前に急ぎ適切な施術を行うことが重要です。
それから、出血が見られることがあります。猫ちゃんの乳歯が永久歯へ生え変わる際、乳歯が抜けたところから出血することがあるためです。5分程度で出血が止まれば問題はありませんが、15分以上たっても出血が止まらない場合は他の病気との関連も考えられるため、すぐに獣医師に見てもらいましょう。
私たちも歯肉炎や口内炎になったとき、痛みや不快感があるように、猫ちゃんも同じく痛みや不快感に苦しんでいるかもしれません。早めの治療をどうかお願いします。
猫ちゃんによって口の中に持っているメラニン(黒い色素)の多さも違うので、歯茎が黒っぽい猫ちゃんや、ピンクと黒が混合した歯茎を持つ猫ちゃんもいます。通常、ピンクの歯茎と同様、ツヤがとハリがあってしっとりしていれば心配はありませんが、黒い箇所が腫瘍になっていたり、触ってしこりがある場合は悪性の腫瘍の可能性があるため、早急に獣医師に見てもらうことが必要です。
猫ちゃんの歯茎がいつもより白っぽく感じたとき、それは貧血が起きている可能性が非常に高いです。貧血は感染症や中毒、何らかの病気によってなど原因は様々。
歯茎が白い場合は、元気がない食欲がないなど他の症状も一緒に現れることもあります。貧血は命の危険につながる症状でもあるので、すぐに獣医師に見てもらいましょう。
まず歯茎が赤くなっている原因を特定します。
歯の根やその他の支持構造に損傷があるかどうかを判断するため、口腔内X線写真(X線)を撮ったり、全身疾患からくる歯茎の赤みが疑われる場合は血液検査や尿検査が行われます。
歯肉炎や歯周病の場合、赤みの根源となっている蓄積された歯垢や歯石の除去を行います。また、歯肉炎や歯周病、口内炎は、歯茎の炎症や感染症など合併症を防ぐためにも、抗生剤などの投薬を行うこともあります。
歯肉炎や口内炎などが軽症の場合は、歯垢•歯石除去と投薬で治療することができますが、重度の場合は、炎症の元となっている歯を抜歯しなければならないケースも。
早めに治療を開始することで、抜歯を防ぐことができます。また、お口の病気は再発しやすいため、根気強く治療を続けていく必要があります。飼い主さまには、気長に治療にお付き合いいただくことをどうかお願いします。
大切な家族の一員である猫ちゃんのお口をチェックしてみませんか?飼い主さまのチェックが猫ちゃんのお口の病気の早期発見につながります。日頃から取り組んでいただき、猫ちゃんのお口をよく観察していきましょう。
・歯茎に変色がみられないか
・歯茎にハリとツヤがあるか
・歯の表面が黄色や茶色になったりしていないか
・歯茎から出血はないか
・歯茎にしこりやできものはないか
・口臭がキツくないか
・よだれが多くないか
・口まわりを触られることを嫌がらないか
・顔をこすったり、口の辺りを気にしたりしていないか
・元気や食欲がなくなっていないか
・以前より食べるのに時間がかかっていないか
・かたいものを食べなくなっていないか
・食べ方がいつもと違わないか(片側だけで食べているなど)
・食事中によくこぼしてないか
・口のなかに入れたものをすぐ出してしまわないか
・性格が凶暴になったりしていないか
・隠れていることが多くなっていないか
たくさんチェックするポイントがありますが、何か異常があった場合はそれは猫ちゃんからのサインです。日頃から注意して観察してみましょう。
猫ちゃんに痛みや不快感を味わってほしくないと思う飼い主さまがほとんどだと思われます。歯茎の健康を維持するために、ぜひとも日頃のケアや定期的な診察にご協力いただきたいと思います。
歯茎の健康を維持するには、毎日の歯磨きで猫ちゃんのお口の中を清潔に保つことが非常に大切です。歯磨きは、お口の中のチェックや身体全体の健康を維持することにも繋がりますので、ぜひ積極的に取り入れていきましょう。
また、歯垢や歯石の蓄積を減らすのに役立つよう配合されたキャットフードやおやつ、サプリなどもありますので、定期検診の際に獣医師に相談してみるのも良いかもしれません。
そして、猫ちゃんのお口の中に異変を感じた時はそのままにせず、早めに動物病院へ行き、診察をしてもらうようにしましょう。飼い主さまのその素早い行動が大切な猫ちゃんの歯茎の健康を守る一番の近道となります。
大切な家族の一員である猫ちゃんが歯茎トラブルでつらい思いをしないよう、日々の生活の中でぜひ予防やチェックに取り組んでいただきたいと思います。予防方法など何かお困りのこと不明なことがありましたらお気軽に動物病院にご相談くださいね。
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