蛋白漏出性腸症(PLE)と蛋白漏出性腎症(PLN)を併発した一例

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担当医師のご紹介
二子玉川院 消化器内科獣医師 杉本 太一

二次診療施設で消化器内科医として診療に従事してきました。
これからは身近に相談できる消化器内科医として、皆さんのお悩みを一緒に解決していきたいと思います。

 

1. 来院の経緯

当院初診の1年前に他院で受けた健康診断でアルブミンの低下(2.1g/dl)が指摘され、内視鏡検査の結果「蛋白漏出性腸症」と診断され治療を受けましたが、アルブミンは上がらず、セカンドオピニオンで当院を受診されました。

飼い主さまコメント 飼い主さまコメント

症状はほとんどありませんでした。蛋白漏出性腸症に対して他院で自然療法という細胞療法を受けましたが改善なく、消化器専門の先生に診てもらおうと思いました。

 

2. 治療の概要

  • 品種 イタリアン・グレーハウンド
  • 年齢 8歳
  • 性別 避妊メス
  • 体重 5.0 kg
  • 症状 低ALB、削痩、体重減少
  • 病名 慢性胃腸炎とリンパ管拡張症による蛋白漏出性腸症、蛋白漏出性腎症
  • 検査 身体検査、血液検査、超音波検査、尿検査、血圧検査
  • 処置 ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)、ステロイド、抗血栓薬、食事療法(低脂肪食・手作り超低脂肪食)、プロバイオティクス
  • 費用 約5-6万円

 

3. 来院時の状況

下痢や嘔吐はなく、元気・食欲に問題ありませんでしたが、体重減少は中程度でした。

飼い主さまコメント 飼い主さまコメント

療法食や細胞療法を行いましたが改善せず、貴院が開院した当初に受診したことがあったため、そこに消化器ができたとHPで知り来院しました。

 

4. 検査と治療方針

図1:小腸の超音波検査画像

血液検査ではALBは2.0g/dlで低く、エコー検査では小腸が全体的にリンパ管拡張の所見が目立ちました(図1)。1年前に他院で実施された内視鏡検査は観察範囲と生検数が少なく、再度評価することをご提案しましたが、2回目の内視鏡検査は希望されませんでした。

アルブミンを低下させる鑑別疾患を改めて精査するとタンパク尿が>5.0と高値であることがわかり、蛋白漏出性腸症と蛋白漏出性腎症の併発であることがわかりました。

胃腸疾患に対してはエコー検査の所見からリンパ管拡張症が比較的強めに感じたため、現在の治療より脂質制限を強化しました。蛋白漏出性腎症に対しては定法通りの内科治療を開始しました。

 

5. 経過

治療開始後は速やかにタンパク尿は消失し、アルブミンは基準範囲へと上昇しました。現在では消化器徴候もなく、定期健診に通っています。

飼い主さまコメント 飼い主さまコメント

今では治療開始時より体重も増えて、気になる症状もなく、何不自由なく生活を送れています。セカンドオピニオンを受けて良かったです。

 

6. 同じ悩みを持つ飼い主さまへ

低アルブミンを起こしうる病態は多岐にわたります。必ずしも蛋白漏出性腸症とは限りません。アルブミンが上がらず治療経過が芳しくないときは精査に漏れはないか、今の診断が正しいのか立ち返る必要があります。担当の先生に問いかけるのは勇気が必要かと思いますので、そういう時こそセカンドオピニオンのタイミングです。

 

7. 担当獣医師からの一言

今回の患者さんのように、内視鏡まで実施歴があったこともあり、蛋白漏出性腸症という胃腸疾患に対する固定概念が強かったですが、除外検査がいかに大切かということがお分かりになる一例だったかと思います。

KINS WITH 動物病院二子玉川院 杉本先生
消化器内科の治療を担当する先生
KINS WITH動物病院 二子玉川院
獣医師 杉本太一

東京都世田谷区 玉川3丁目15-13
EXPARK二子玉川 1階
電話番号:03-6447-9230

二次診療施設で消化器内科医として診療に従事してきました。これからは身近に相談できる消化器内科医として、皆さんのお悩みを一緒に解決していきたいと思います。

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