
食欲があるのに犬が下痢をするとき
- 犬
- お腹
- 読み物コンテンツ
消化器内科では食べ物の消化に関わる全ての臓器、具体的には胃腸に食道、肝臓、胆嚢、そして膵臓の病気に対応します。二次診療施設で消化器科に専従した獣医師が在籍し、検査や治療の選択肢をご家族と相談しながら、それぞれの患者さまに最適な道を探したいと思います。
東京都世田谷区 玉川3丁目15-13 EXPARK二子玉川 1階
電話番号:03-6447-9230
今回は異物の誤飲により小腸閉塞を起こした症例をご紹介いたします。
他院で原因が明らかになっておらず、セカンドオピニオンを目的に当院を受診されました。
当院受診の2週間前に急性の頻回嘔吐(10回以上)がみられ近医を受診され、異物誤飲が疑われバリウム検査が行われましたが異常は認められなかったようです。対症療法が行われましたが状態の改善は乏しく、プレドニゾロン(ステロイド)が処方されたところ、数日間は状態の改善が見られましたたが、内服していても症状が再発し、近医を再度受診されました。腹部超音波検査で腸炎が疑われ、2次診療施設への紹介が提案されましたが、予約が2週間先のため、ご家族自身で当院を探して来院されました。
トップの鑑別疾患は異物ですが、それ以外に柴犬という犬種の消化器症状のため、びまん性胃腸疾患(慢性胃腸炎、リンパ腫)を鑑別疾患の一つとして念頭に入れ検査を行いました。身体検査では腹部触診を嫌がる様子がありました。血液検査ではCRP(炎症マーカー)の上昇、白血球増多を認めました。エコー検査では空腸中央部に異物を疑うがあり(ページ上部の画像を参照)、その手前の小腸粘膜はかなり荒れている様子でした。幸い腸穿孔は起きていませんでした。「異物誤飲による小腸の部分閉塞」と診断しました。
超・緊急疾患として、外科手術が必要と判断し、近隣の2次診療施設にすぐに問い合わせをして転院していただきました。その後の開腹手術で小腸内には3cm大のプラスチック製の異物が見つかり、異物摘出と同時に穿孔しかけていた小腸の部分切除を行っていただきました。閉塞部の腸は穿孔するギリギリだったとのことでした。
今回ご紹介した異物誤飲による小腸閉塞はどのご家庭でも起きうる恐ろしい状態です。腸閉塞はとても痛みを伴う状態であり、腸穿孔してしまうと腸内容物が腹腔内に漏れて細菌性腹膜炎をおこし、術後合併症のリスクが跳ね上がり、命を落としかねません。今回は近医でバリウム検査を行ったにもかかわらず異物が検出できませんでしたが、今回のように異物が部分閉塞していた場合、腸内腔と異物の間に隙間があるため、バリウムがその隙間を通ってしまったことでわかりづらかったのかもしれません。異物の診断は簡単そうで、実はとても難しいのです。
二次診療施設で消化器内科医として診療に従事してきました。
これからは身近に相談できる消化器内科医として、皆さんのお悩みを一緒に解決していきたいと思います。