
食欲があるのに犬が下痢をするとき
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今回は、歯周病の悪化のため来院したケースを紹介します。このわんちゃんは昨年にも治療を受けてくれましたが、1年半ぶりの来院でした。治療の詳細をご紹介します。
歯科専従の獣医師と専用の設備を備え、一般的な歯科治療に加え難症例や歯を抜かない治療方法にも対応。加えて愛犬愛猫の歯磨きトレーニングの手順や定期メンテナンスについてもご案内しております。
東京都世田谷区 玉川3丁目15-13 EXPARK二子玉川 1階
電話番号:03-6447-9230
前歯がグラグラしており、重度の歯周病が疑われます。左上の奥歯は歯根が見えていて、下の奥歯も歯ぐきが下がっています。全体的に歯石が付着して歯肉の炎症が起きています。また、くしゃみが続いているそうです。
今回は歯周病のケアとして、そのまま温存できない歯は抜歯治療をすることになりました。
くしゃみが続いているとのお話しがあったので、口腔鼻腔瘻の可能性があります。最近は骨を治すことを目指して治療しておりますが、一般的には口腔鼻腔瘻がある場合は抜歯適応になります。
口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)とは、主に上顎の犬歯を中心に歯周病が進行し、その歯を支える歯槽骨や顎骨が破壊されることで、口腔と鼻腔が繋がってしまっている状態のことです。
骨が溶けて穴があき繋がってしまうことで、口の中で増殖した歯周病菌が鼻腔まで届いてしまい、鼻腔の感染・炎症に波及します。黄色い膿の鼻水がでたり、鼻からの出血などの鼻炎の症状がみられます。
口の中の写真を撮影して、歯科専用レントゲンで歯を1本1本撮影して、評価します。
歯周ポケットの深さをプローブという専用の道具で評価します。これにより歯周病の程度が評価できます。また複数歯根がある歯は、専用のプローブで歯根の分岐部の骨の状態をチェックします。
前回は残していた右上顎の犬歯や臼歯(奥歯)の歯周病が進行していたので、抜歯することになりました。右上顎犬歯に水を注入すると鼻からお水が出てきました。口腔鼻腔瘻になっており、くしゃみと鼻水はこちらが原因と考えられます。
今回来院時のレントゲン写真は以下となります。
前回、1年半前の処置の際に撮影したレントゲン写真と比較すると
犬歯の歯周炎が進行しているのが良くわかります。
また、改善を期待していた左上の第四前臼歯(大きな奥歯)の歯周病の改善がありません。下顎の第一後臼歯(大きな奥歯)の分岐部の骨はすこし改善して白っぽくみえますが、歯根の周囲の歯槽骨の喪失が改善していません。やはり1回の処置だけでは改善せず、3~6か月での追加治療や継続的なケアの重要性を感じました。
悪化していた左側の上下奥歯と右上の犬歯と右下の奥歯、前歯を2本を抜歯しました。
▼KINSWITH動物病院での歯周病治療の流れを見てみる
抜歯後、2週間で検診に来ていただきました。くしゃみは術後減少、ほぼ消失しており、口腔鼻腔瘻によるものでした。術後は当日から元気食欲があり、ご高齢でしたが、大きな問題なく手術を終えることができました。
今回は歯周病の愛犬の治療をご紹介しました。
1回治療しても歯周病は進行してしまいます。全部の歯を抜かない限りは、歯のケアは必要です。残った歯を今後も残してあげるために、しっかり歯磨きをして、定期健診を受けるようにするといいですね。
東京都世田谷区 玉川3丁目15-13
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KINS WITH動物病院、院長の岡田純一です。当院では愛犬さん、愛猫さん、ご家族の抱えるトラブルに対し、症状をなくすことはもちろん、なるべく根本から解決することを目指しています。 高性能な機器を用いた安全で正確な処置はもちろん、常在菌に着目したアプローチや、お家での生活に対するアドバイスまで丁寧に対応致します。 もちろん手技の技術を向上させるための鍛錬も日々欠かさず行なっております。 愛犬さん、愛猫さんとご家族が元気いっぱいで幸せな時間をなるべく長く過ごすお手伝いができるよう、努めて参ります。よろしくお願い致します。