食欲があるのに犬が下痢をするとき
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手術で使用される「麻酔」
歯石除去や抜歯など犬の歯科治療では必要不可欠ですが、いろんなリスクが潜んでいることもあります。また、麻酔した後にいつもと様子が違うこともしばしばあります。
今回は、わんちゃんの麻酔とは何かを説明し、麻酔のプロセスやリスク、麻酔後にみられる症状についてご紹介します。
上記に該当する方は、ぜひこの記事をチェックしてみてくださいね。
そもそも麻酔とは、手術などの医療処置の際に、薬を投与して、体を動かない状態にし、苦痛を和らげることです。わんちゃんが病気になったときや検査のときに、痛みを和らげたり安静にしたりして治療をスムーズにできるようにするために麻酔が使われます。
このあとは、具体的にどんな種類の麻酔があるのかを見ていきます。
注射薬と気管へのチューブの挿入によって、わんちゃんが手術中の痛みや意識を取り除くだけではなく、体が動かないようにし、安全に処置を行えるように全身の状態を維持することです。
局所麻酔は、わんちゃんが神経感覚を一時的に遮断して痛みを引き起こさないようにすることができます。皆様もご経験があるかもしれませんが、人間の歯医者さんで歯を抜く前に歯茎に行う注射と同じです。、わんちゃんの皮膚にできた小さなしこりを取り除く際や歯の処置などに使われます。その他にも足の手術や大きな手術でも全身麻酔と一緒に用いることがあります。
これまで紹介してきた麻酔と似ていますが、わんちゃんがX線検査や超音波検査のときにじっとしなければならない状態のときに鎮静剤が投与されます。人間でいうと、内視鏡検査や軽微な手術を行うときに使われます。
わんちゃんが手術前に麻酔をするとなった場合、飼い主様はとても不安な気持ちになるかと思います。そこで「麻酔前」と「麻酔後」の流れについてご紹介をします。
麻酔を受ける前には、獣医師は身体検査を徹底的に行い、わんちゃんの病歴を確認し、リスク要因について飼い主様と話し合いをします。その後、獣医師が血液検査・レントゲン検査を行い、医学的な問題の有無を確認して麻酔をするときのリスクが発生しないかどうかを確認します。当院では高齢の子や持病がある子では腹部や心臓の超音波検査も行います。それらの結果を踏まえて、使用可否をはっきりさせます。
わんちゃんの健康状態や麻酔のリスクについて質問がある場合は獣医師に気軽に聞いてみてください。
手術当日(麻酔をする日)はわんちゃんが食べ物や水分を肺に吸い込むリスクを減らすために、少なくとも数時間前から食事を与えないようにします。当院では健康な成犬であれば、12時間程度の絶食を目安としています。そして、来院後に前足の静脈にカテーテルを挿入し、術前に静脈点滴を流し、水分を補充して状態を整えます。手術開始時には、カテーテルから鎮静剤を投与して不安を和らげた後に、注射麻酔薬により麻酔をかけていきます。
手術が終わり、わんちゃんが麻酔から目覚めるまでは注意深く経過観察をして、何か問題があればすぐに対処します。回復期にはパッドや毛布でからだを温めますが、回復するまでの間に震えている様子が見られることがあります。これは痛みや風邪によって引き起こされているのではなく、麻酔によって体温が低下しておこる副作用で、他にも発声(鳴いたり吠えたりする)するわんちゃんもいます。
全身麻酔に対して不安を抱き、麻酔を伴う手術をおこなうか迷っている飼い主さまもいらっしゃるのではないでしょうか。 東京の二子玉川にあるKINS WITH動物病院では、術前の検査を入念におこない、麻酔のリスクを最小限にすることに努めています。 体調によっては麻酔を行わない施術も提案できるのでお気軽にご相談ください。
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短時間の鎮静や数時間続く全身麻酔でも、麻酔薬を使用するときには常に副作用のリスクがあります。冒頭でも紹介したとおり、人で10万人に1人の確率で何らかの反応を示すと推定されており、わんちゃんにおいても同様の反応が認められることがあります。。また、わんちゃんが麻酔前に適切に絶食されていない場合は、麻酔に関する潜在的なリスクが発生します。麻酔をかけられたわんちゃんは、飲み込む力を失っているため、胃の中に食べ物がある場合は麻酔中または麻酔後の早い段階で嘔吐をする可能性があります。飲み込む力がない状態で嘔吐をしてしまうと、吐いたものが気管を伝って肺に入り生命を脅かす誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。
その他の麻酔の合併症として、臓器(腎臓、肝臓、心臓)障害、血液凝固障害、視覚障害が稀に発生します。獣医師はわんちゃんの麻酔時にこれらのリスクを最小限に抑えるためにありとあらゆる予防措置を考えます。メリットがリスクを上回る場合に、獣医師は麻酔をかけて処置をします。
わんちゃんに麻酔がかかったときのリスクを最小限に抑えるために、手術前の血液検査、、X線検査により、麻酔に伴うリスクを高める可能性のある症状が発見できます。特に血液検査は、命を脅かす可能性のある問題を全体的に調べることができる有効的な検査です。またレントゲン検査も灰や心臓の異常を調べるための検査として有効です。当院ではすべての愛犬と愛猫に血液検査と胸部レントゲン検査を行っております。またシニアの子は、腹部超音波検査・胸部超音波検査を行い、必要に応じて尿検査等も行います。
わんちゃんが麻酔から時間が経っても回復しないことがあります。麻酔が切れた後に起きやすい症状について解説します。
麻酔が切れた後に、ぐったりしたり眠そうな様子を見せることがあります。これは麻酔の後に起こる症状としてはごく一般的なことであり、手術後に覚醒することがありますが、急に疲れてぐったりしてしまうことも。これは、麻酔が神経系に影響を与える事によって引き起こされるものなので、数日経てばこの症状は落ち着きます。もし、長引く場合は、わんちゃんを動物病院へ連れていきましょう。
麻酔によって体温を制御する能力が下がってしまう場合があります。それにより、震えの症状が見られたり、吠えたり鳴いたりすることがあります。術後一定の時間が経過すれば、落ち着くことが多いです。歯科手術は特に低体温になることが多いですが、しっかりと保温対策をすることで軽減することが可能です。当院でも手術用の保温装置を導入することでしっかりと体温を維持できるようになりました。
また、麻酔中に酸素とガス麻酔を投与するために気管にチューブを入れる場合、気管を軽く刺激するため、咳の症状や声のかすれが見られることがありますこれらの症状は数日から2週間程度で解消されますが、長引く場合は獣医師に診てもらいましょう。
麻酔が切れた後は一時的に食欲がなくなったり吐き気を催したりすることがありますがこれは一般的な症状の一つです。対処法としては、普段食べているドッグフードよりも食べやすい缶詰やスープ状のご飯などを用意してあげると良いでしょう。
術後2日経っても元気がない場合は、動物病院に行くようにしましょう。当院で手術を受けた愛犬・愛猫とご家族の方は、お電話にてご連絡ください。
全身麻酔の前後は、愛犬の元気がないことも多く、不安に感じることも多いでしょう。何か気になることがあれば、必ず麻酔処置の担当医かかかりつけの獣医師に相談するようにしてください。
健康診断、予防接種、去勢避妊手術はもちろん、内科・ 消化器等の幅広い診療、終末期診療まで、たくさんのお悩みに寄り添いながら診察を行います。
愛犬・愛猫だけでなく、ご家族にも安心してお越しいただけるよう、基本的にはご家族の前で検査を行い、丁寧にお話を伺いながら診察を進めていきます。そのため、超音波検査も診察室の中に設置しております。
さらに、 血液検査機器を導入し、外部機関への依頼では数日かかる検査を、その場で見る事ができ、素早く診断、治療することへとつなげていきます。