【犬の歯磨きについて】歯磨きのできるわんちゃんの割合

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毎日歯磨きができるわんちゃんは、どれくらいいるのでしょうか。わんちゃんの歯磨きは、人間と同じように体全体の健康と密接に繋がっています。今回は、実際に毎日歯磨きができているわんちゃんの割合や、歯磨きが必要な理由、歯磨きを嫌がるわんちゃんのための歯磨きの進め方についてご紹介していきます。

歯磨きができる犬はどれくらい?

事前に当動物病院が、飼い主さまに「わんちゃんは毎日歯磨きできていますか?」という独自のアンケートを取らせていただいた結果がありますのでまずはこちらをご覧ください。

毎日歯磨きできている・・・・・・・49%

嫌がるのでなかなかできていない・・・43%

どちらでもない・・・・・・・・・・  7%

約半数のわんちゃんが毎日歯磨きができているという結果になりました。また、半数近くのわんちゃんが「歯磨きを嫌がるのでできていない」と回答しています。「歯磨きを嫌がるのでなかなかできていない」と回答された方は、おそらく歯磨きにチャレンジした経験があることが伺え、飼い主の皆さまのわんちゃんの歯磨きへの意識が高いことがわかります。

歯磨きが必要な理由

3歳以上のわんちゃんの8割に見られる歯周病の原因は歯垢です。歯周病などが重症になると歯周病菌が血液にのって全身へ行き渡り、腎臓や心臓の病気を引き起こしてしまう可能性が指摘されています。歯垢が歯石になると歯磨きでは取り除くことができません。また、歯石表面はざらざらしていて、歯垢がより付着しやすくなります。毎日の歯磨きで歯垢を取り除くことが、歯石や歯周病の予防につながり、将来的な体全体の病気の予防にもなるのです。

したがって、わんちゃんの歯や口の中の健康、体全体の健康のためにも、毎日の歯磨きはとても大切で必要なケアであることがわかります。歯磨きをしたことがないわんちゃんや、歯磨きを嫌がってできないわんちゃんも少しずつ歯磨きに慣れて、ぜひ毎日の歯磨きを習慣にしていきましょう。

歯磨きを嫌がるわんちゃんのために

では、歯磨きをしたことがないわんちゃんや歯磨きを嫌がるわんちゃんにはどのように歯磨きをスタートさせるとよいのでしょうか。大きく分けて5つのポイントを挙げてみましたので、わんちゃんが歯磨きにチャレンジする際に参考にしてみてください。

①歯磨き粉や歯磨きジェルは使用した方がいい?

美味しい香りや味のある歯磨き粉、歯磨きジェルの使用は、わんちゃんが歯磨きに対して肯定的になってくれることの助けになります。歯磨き初心者のわんちゃんや歯磨きを嫌がるわんちゃんは、歯磨き粉や歯磨きジェルを「舐めるだけ」からのスタートでもよいでしょう。わんちゃんにとって、歯磨きが「美味しい」や「嬉しい」になることが望ましいので、歯磨きへの苦手意識を植え付けないためにもぜひ活用してみてください。

また、歯磨き粉や歯磨きジェルを使用することで、唾液が出るのを促進したり、口の中の細菌バランスを整えるものもありますのでおすすめです。人間用の歯磨き粉は、中毒を起こすなど危険を伴うため、絶対に使用しないようにしましょう。

②わんちゃんの歯磨きレベルに合わせた歯磨きグッズを選ぶ

わんちゃんにとって、歯磨き粉や歯磨きジェルが安全なものだとわかった後は、歯磨き粉や歯磨きジェルを少量つけた歯磨きシートやガーゼを使用し、それらを口に入れたり歯に触れさせることに進みましょう。歯磨きシートやガーゼに慣れてきたら、わんちゃん用の柔らかい歯ブラシを使い始めます。歯磨きガムなどの使用は、メインの歯磨きの手段とするのではなく、歯磨きのサポート的な用途で使用するようにしましょう。

③理想的な歯磨きの頻度

わんちゃんの歯磨きの理想的な頻度は食後に1日2回を推奨しておりますが、少なくとも1日1回、片側30秒から1分程度、1本だけでも磨くようにしましょう。1日で全周囲を磨けるのが理想的ですが、難しい場合は3日で全周囲を磨くよう右側、左側、前側と分割して磨く習慣をつけるようにしてみてください。毎日歯磨きを行うことで、よりわんちゃんの習慣となりやすくなります。

④歯磨きのやり方

上にも述べましたように、これから歯磨きを始めるわんちゃんや歯磨きを嫌がるわんちゃんには、まず、歯磨き粉や歯磨きジェルを舐めさせるところから始めましょう。続いて歯磨きシートやガーゼなどに歯磨き粉や歯磨きジェルをつけて歯に触れることに慣れさせていきます。この時、少しでもうまく行ったら褒めてあげたりご褒美をあげてみましょう。歯磨きに慣れるためには、わんちゃんにとって歯磨きがポジティブなものであることを印象付けることが大切です。

慣れてきたら、今度は歯磨き粉や歯磨きジェルをつけた歯ブラシで優しく歯を磨いてみましょう。この時も、褒めてあげたりご褒美をあげると効果的です。最終的にはご褒美はやめて、褒めてあげるだけでよいようにします。

また、わんちゃんが口を開けるのが苦手な場合、歯の内側が磨けないことで心配になる飼い主さまもいらっしゃるかもしれません。しかし、わんちゃんの歯の内側はざらざらした舌のおかげで、食べかすや歯垢などが取り除かれやすいと言われています。あまり神経質にならず、外側をしっかり磨くよう心がけることが大切です。

⑤歯磨きをする環境や時間帯も大切

歯磨きをする時は、わんちゃんが安心できる環境や落ち着いた時間帯などを選んであげましょう。小さな子供や他のわんちゃんが遊んでいる騒がしいお部屋は避け、わんちゃんがリラックスできるお部屋で行うことがおすすめです。

毎日の歯磨きと獣医師による定期的な歯科検診のすすめ

毎日の歯磨きは歯垢を取り除き、歯石や歯周病の予防に効果的です。しかし、毎日歯磨きをしていても完全に歯垢を取り除くことは難しいかもしれません。家庭での歯磨きでは見落としがちなところも、獣医師による定期的な歯科検診を受けて、積極的にサポートしてもらいましょう。