食欲があるのに犬が下痢をするとき
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突然ですが、わんちゃんの歯の本数、ご存知ですか?
私たち人間は親知らずの有無によって前後しますが28〜32本。
愛犬の口腔環境を知ると、健康管理にも役立ちます。
今回はイヌの歯について、基本情報をご紹介します。
また、それらの知識を踏まえた上で、日々のふれあいのなかで上手にチェックをしていただくポイントもお伝えします。
わんちゃんの中には、歯周炎や歯肉炎に悩まされている子も少なくありません。ケアを始めるには、まずご家族がイヌの歯の性質について知ることも大切。
ヒトと違う部分もあるからこそ、ケアで意識する箇所が変わってきます。
人間と同じで、歯磨きをしていればいいというわけではないので、日々のチェックで少しでも異変があれば気付けるようにしておくことが第一目標です。
ネコは肉食動物、牧草をもぐもぐしているイメージのあるウシは草食動物。
イヌは、ヒトと同様雑食動物に分類されます。
そして、人が平均28本であるのに対し、成犬では42本もの歯を持ちます。
ちなみに子犬として生まれた時には28本の乳歯を持っています。
ちなみにネコの歯の平均は30本。
ウシは32本です。
子犬の歯が生え変わるタイミングで習慣づけを
イヌの歯には乳歯と永久歯があります。
ほとんどのわんちゃんが、生後3〜7ヶ月前後の期間に、生まれ持った乳歯から永久歯に生え変わっていきます。
この生え変わりの頃は、歯にムズムズと違和感を感じることから、噛みたい衝動に駆られることも増えます。
これはまさにチャンス。子犬のうちから歯磨きガムなどを与えてあげると、わんちゃんの”噛みたい欲求”も満たしつつ、歯のケアを習慣にできるのでおすすめです。
これは本当です。
人間はたびたび小さい頃から虫歯に悩まされますよね。
虫歯になってから、大人になるにつれて歯周病など別のトラブルが増えていくイメージ。
ですが、ワンちゃんに対してもこのイメージのままだと、大きな誤解が。
実は同じ雑食動物でも、イヌとヒトの口腔環境は結構違うもの。
歯の形状、唾液の成分、食事の内容などで大きく違う条件があるために、ヒトは虫歯になりやすいですが、イヌは虫歯よりも歯周病(口腔内で起こる炎症疾患の1つ)のリスクに晒されているのです。
ヒトの唾液に含まれるアミラーゼという分解酵素をもたないイヌの唾液。
また、人間の歯のような凸凹した複雑な形状とは違い、イヌの歯は、鋭利な形状をしていることも大きな違いと言えます。
これらに加え、アルカリ性の状態になっているイヌの口腔内では、虫歯菌が活発に繁殖しづらい反面、歯周病菌が繁殖しやすい環境です。また3〜5日のうちに歯垢(プラーク)が石灰化して歯石になることなどが理由として挙げられます。
関連記事:【愛犬の歯石知恵袋】歯石ゼロへ!獣医師が提案するケア|KINS WITH動物病院
虫歯になりやすいヒトに比べて、歯周病になりやすいイヌの口腔環境。
人間と同じで歯の根本には、食べかすに細菌が集まってできる歯垢(プラーク)が付着しやすいため、食後の歯磨きや日々の歯垢除去ケアは大切。
ご自宅で取り組んでいただける、わんちゃんの口腔ケアとアイテムについてInstagramでご紹介しています。
詳しい内容は公式Instagramから
現時点で深刻な歯周病がないわんちゃんは特に、まずは日々の歯磨きをしっかり続けていただきたいです。
※歯ブラシや指サック、などを用いた歯磨きを嫌がるわんちゃんは、
見えづらい箇所に炎症があったりして痛みがある場合があります。一度獣医師の診察を受けることをおすすめします。
ポイントは磨きたい歯の上にかぶさっているお口周りの皮(人間で言えば唇)をしっかり持ち上げて歯が見える状態にして作業すること。
そして、わんちゃんが嫌がったりする場合は無理に続けず、タイミングやアイテムを改めて取り組んでみましょう。
1. マッサージをして唾液の分泌を促す
2. コットンシートでぬめり(プラーク)を取り除く
3. 歯ブラシをする
4. ジェルを塗ってマッサージ・保湿する
動画内でもご紹介していますが、いきなりの歯ブラシを嫌がるわんちゃんが多いのが事実。
ですが、マッサージからスタートすることで、唾液の分泌だけでなく、リラックスした状態にしてあげることができるので、必ず踏んでいただきたい大切な手順です。
ここでオススメの歯ブラシをご紹介します。
極細毛設計で優しく口腔内のケアができる歯ブラシ。
痛くないことはストレス軽減にもひと役買ってくれるポイント。
また極細毛の歯ブラシでは雑菌の繁殖が懸念点でもありますが、この歯ブラシに使われている素材は抗菌仕様。衛生面にも配慮されているのが嬉しいですね。
淡雪プラチナナノ歯ブラシはこちらからご購入いただけます。
こちらの歯ブラシはもともと人間用ですが、口腔手術後の痛みのあるお口への使用まで想定したソフトな毛先の歯ブラシ。
歯科の現場で信頼の厚いメーカーのものなので、わんちゃんのお口にやさしく配慮した歯ブラシを探している方には一度試していただきたい歯ブラシです。
こちらのモアブラシは、歯ブラシを噛んでしまうわんちゃんにオススメな強度と形状。
ブラシ状というよりはボンボンのような素材と形状で日々のケアに慣れていく段階にも使っていただきたい歯ブラシです。
もともとは人間用の歯ブラシとして販売されていますが、360度ブラシになっているので、奥歯のほうは、カミカミしてもらうだけでも磨ける優れものなのです。
特に奥歯のほうは磨くのが非常に難しいため、噛むだけで磨けるのは魅力的なポイントですね。
今回ご紹介した、イヌの歯や口腔環境について、どれくらいご存知でしたでしょうか。
記事をご参考いただき、大切な家族の一員であるわんちゃんのお口の健康を保っていただけたらと思います。
また、子犬の頃から歯磨きの習慣をつけておくと大きくなってからもケアのハードルがグッと下がります。
まだわんちゃんが小さいご家庭では、ご紹介した生え変わりのタイミングを利用して、ご自宅でしてあげられる口腔ケアとして第一歩を始めてくださいね。
当院では診察後、LINEでのフォローも行っております。
受診・診察後にも、わんちゃんの様子やお悩みに合わせて、獣医師からのフォローが可能です。
わんちゃんのお口について、お悩みのある方はぜひ一度ご相談ください。
歯周病や歯石、口内炎などの口腔内トラブルへの治療・ 予防、歯周外科、歯周組織の再生療法といった、幅広い歯科治療が可能です。
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