【犬アトピー性皮膚炎】症状からケアまで

2022.09.01

また掻いてる…

ご家族としては心配なわんちゃんの痒みの症状。

その多くは犬アトピー性皮膚炎で、正しい診断と継続的なケアが必要になります。

コントロールが難しい疾患ではありますが、この記事では、状態を良く保てるポイントや、わんちゃん自身のQOL(生活の質)を取り戻せるようにご家族がしてあげられるケアなどについてご紹介します。

犬アトピー性皮膚炎って?

人間のアレルギーとよく似た部分がある犬アトピー性皮膚炎

原因の多くはハウスダストと言われるダニや、花粉など、普段過ごす環境におけるアレルゲンとされており、アレルゲンに対して過剰な免疫反応を起こしている状態をさします。

また、アレルギー反応なので、他のわんちゃんにはうつることはありません

遺伝の影響は受けやすいと言われており、好発犬種(発症しやすい犬種)として日本では、柴犬、フレンチブルドッグ、シーズー 、ウェストハイランドホワイトテリアなどがあげられます。

発症はどのように気付けるか

主な症状はしつこいかゆみで、若年のうち(1〜3歳ごろ)に多く発症します。

また、はじめは季節性のもののように見られ、気にならない時期があったりします。
しつこいかゆみから、皮膚を掻き壊してしまい、かゆい部分を中心に炎症や脱毛、色素沈着などがおこり、見た目にも皮膚炎とわかるようになります。

くりかえすサイクルがある

犬アトピー性皮膚炎は、一度発症すると、その症状のコントロールがそのままわんちゃんのQOLに比例します。しつこいかゆみはわんちゃんにとって大きなストレスとなるので、ご家族も早くなんとかしてあげたいと思いますよね。

油断したくないのが、寛容期と言われる症状が軽くなる時期がやってくることです。

よくなったみたい…とご家族の判断だけで処方されているお薬の投薬や指導されているケアを怠ってしまうと、次の炎症がひどくなってしまったり、長引いてしまったりと、わんちゃんを苦しめることに繋がりかねません。

毛繕いなの?かゆみなの?

毛繕いなのか、かゆくてかいているのか、目安になるわんちゃんの行動についてリストアップしてみますので、ご参考ください。

① 舐める

よく見る行動の一つではありますが、何度も同じ箇所を繰り返し舐めている場合は毛繕いではなく、かゆみからとっている行動かもしれません。

② 噛む

こちらも毛繕いの流れでたまに見かけるもの。ですが、おもちゃなどで気をそらしてみても脇目も振らずかみかみ…と続く場合はかゆみである可能性が高いです。

③ ひっかく

いわゆるカイカイと言われる動き。後ろ足で耳の辺りなどをカイカイ…とする動きが多いですが、なんとなく、ではなくて見るからにかゆくてたまらん、という感じでカイカイしている場合は、すでに皮膚炎があるかもしれないので、よく観察してみてください。

④ すりすりする

床や、壁の角、家具など、様々な場所に体を擦り付ける様な動き。喜びの表現やマーキングで行うこともありますが、目が合わない、何度も繰り返している場合はかゆみからの行動かもしれません。

いずれの場合もしつこく繰り返している場合は、かゆみをどうにかしようと掻き続けていることが考えられますので、動物病院に相談してみてくださいね。

犬アトピー性皮膚炎の治療とケア

いちばんツラい症状はやはりかゆみ

初期には“かゆいから掻く”で、一時的に落ち着きますが、その掻く行動(掻破)によって炎症の悪化や、皮膚状態の悪化、さらに掻くこと自体が新たな神経刺激となってしまい、またかゆみが生まれてしまう…という、かゆみサイクルによる症状の悪化が、犬アトピー性皮膚炎でケアしてあげたい大きな課題です。

一般的に病院で処方されるお薬のパターンと、おうちでできるケアに加え、KINS WITH 動物病院ではこの一連の流れにどのようにアプローチしていくかについてお話しします。

犬アトピー性皮膚炎の検査〜診断

まずご家族からのエピソードで、犬アトピー性皮膚炎を疑います。犬種や生活環境、かゆみの頻度や治療中の疾患がないかなどを伺いながら、似た症状が出る他の疾患や要因がなさそうだな、と判断された場合に犬アトピー性皮膚炎の可能性を考えます。

検査では症状のある皮膚やその周辺の皮膚を観察したり、場合によっては皮膚の表面や組織を採取して詳しく観察を行います。

この採取する箇所の見極めが実は難しく、同じわんちゃんから採取されたサンプルでも箇所によって所見の出ているものと問題なしと診断できてしまう場合があるほど。獣医師にもそれぞれの専門分野がありますが、様々な症例を経験した、皮膚に精通している先生がいる病院をおすすめします。

さらに、まれに食物アレルギーであることがあるために、血液検査など、ひと通りアレルギー反応(なにかしらの炎症反応)が出ている血液状況かなどをお調べします。

なによりもかゆみのケアとコントロール

他の要因や疾患もなく、血液検査などの検査を経て、犬アトピー性皮膚炎の診断を受けると、治療が始まります。

完治は難しく、症状のコントロールが大きな課題となりますので、投薬やケアの組み合わせが重要になることはお分かりいただけると思います。

アトピーといえば、人間でも良く用いられるステロイド剤を中心に、炎症を抑えるためのお薬の処方があります。経口薬であったり、注射薬、外用薬(クリームやスプレー、軟膏など)が選択されます。

それに合わせて普段のシャンプーを低刺激の処方のものに切り替えていただいたり、患部を中心に保湿を心がけていただいたりとスキンケアでもケアをしながら症状のコントロールを図ります。

いずれの治療の場合も一番はかゆみからの開放、もしくは軽減が第一優先。わんちゃんにとってしつこいかゆみは精神的にも苦痛になってしまいます。そのために様々なお薬を使いこなしながら治療が進みます。

副作用や、長期に渡っての仕様に不安をお感じの場合は、しっかり説明してくれる獣医師への相談をしたいですよね。お薬にもメリットとデメリットがあるので、不安に思われることもあるかと思いますが、そこは獣医師に相談していただければお答えできることもあると思いますので、気になる点は質問してみましょうね。

当院でも一般的な投薬とスキンケアを組み合わせた治療を行っていますが、特筆しておきたいのは乳酸菌と腸活

皮膚に乳酸菌がおすすめな理由

KINS WITH 動物病院では常在菌へのアプローチで根本治療やQOLの向上をいちばんの使命として診察にあたっています。わんちゃんが本来持っている免疫機能やバランスを整えることで、トラブルの少ない毎日を送っていただくことを目指します。

アトピー性皮膚炎における病態は複雑ですが、大きく分けると二つの原因が。

一つ目は、免疫の異常

そして二つ目がバリア機能の異常

ということがわかっています。

主にこの二つが原因となり、慢性的な痒みや皮膚炎を引き起こしています。

免疫の異常において、リンパ球のT細胞というものがあるのですが、いくつかあるT細胞の中の一つが、炎症に対応しています。このT細胞のチームワークのバランスに狂いが生じている状態がアトピー性皮膚炎と言えます。

そして、その炎症に対応できるT細胞を育てることができるのが、腸内細菌と言われています。

さらに、バリア機能においても、アトピーでは生まれつき皮膚のバリア機能が弱く、アレルゲンが侵入しやすいことがわかっています。かゆみで引っ掻いたりすることで、皮膚を傷つけてしまい、よりアレルゲンの侵入を許す状態となり、悪化を辿ります。

そして腸でも同じことが起こっている可能性があることがわかっています。

腸の粘膜のバリアが崩れ、毒素が漏れ出すことで、炎症を起こす腸(ADガット=アトピー性の腸)の状態になっている、というわけです。

いずれの場合にも腸内環境を整え、腸内細菌の多様性を保っておくことがポイントだということがお分かりいただけると思います。

わんちゃんの腸活には乳酸菌系のサプリが活躍。

さらにストレスによって影響を受けると言われている胃腸の機能を司る自律神経の健やかな活動のために、お散歩など日々の運動を欠かさないことや、ご家族とのコミュニケーションなどリラックスできる時間が大切です。

それにより、わんちゃんが本来持つ健康の状態を底上げすることを目指し、症状の出現頻度や程度を穏やかなものにしながら、最低限の投薬で済む状態を作ることができます。

その方がわんちゃんやご家族の負担も少なく、QOLを保ちながら症状のコントロールもしやすいというのが当院の方針です。

うちの子、最近よくボリボリ掻いてる気がするな、少し毛が抜けてるかも、など気になることがありましたら放っておかず、一度動物病院へご相談くださいね。