食欲があるのに犬が下痢をするとき
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お家にやってきたばかりのパピーのわんちゃん。
成犬と違い、さっきまで元気に遊びまわっていたのに、急にぐったりしてしまうなど、体力の限界もわかっていないので、ご家族がケアしてあげる必要があります。
さらに十分な免疫力も備わっていない場合があるため、気になることがあればすぐに受診というのが鉄則です。
今回は、そんな子犬に起こる下痢症状について病院受診の目安や、原因、対処法などをご紹介します。
まず、緊急性を判断するにあたり、下痢症状以外に、嘔吐があるか確認します。
下痢と嘔吐が同時に起こっている場合、緊急性が高いので、すぐに動物病院を受診したほうがよいでしょう。
考えられる主な原因は、犬パルボウイルス感染症。
下痢と嘔吐を主症状とした感染症で、ワクチンで予防できるものではありますが、ワクチンの接種前など、状況によっては感染してしまうことがあります。
感染症に限らず、下痢と嘔吐の症状はどちらも脱水を引き起こし、急激に体力を奪うので、甘く見ずに、すぐに受診することをおすすめします。
感染症以外でもいくつかの主な原因が考えられる子犬の下痢症状について、順番に確認していきましょう。
子犬に限らず、全てのわんちゃんも、人と同じように消化不良によって下痢を引き起こすことがあります。
特に、消化管の免疫力がしっかりしていない子犬は、さまざまなことが引き金となり、消化不良を起こしやすくなります。
消化不良には、下痢を含めて排泄物に未消化の状態のものを確認できることもあります。糞便検査によって確認することもあります。
しかしながら、下痢が続いたことで消化不良を引き起こし、結果的に未消化の状態になっていることもあります。
まだ家に来て間もない時期や、遊びすぎて疲れてしまうなど、ストレスが原因になっていることが考えられます。
季節の変わり目など、気温の変化によっても子犬の体には大きなストレスとなるため、下痢症状など消化器症状が起こりやすくなります。
好奇心が旺盛な子犬は、遊んでいる最中に異物を誤飲することがあります。
まれですが、異物誤飲・誤食によって、腸閉塞を起こしている場合には、激しい下痢や嘔吐が見られることがあります。
すぐに処置をしないと命に関わるため、思い当たることがあればすぐに受診してそのことを伝えてください。
子犬の便にゼリー状の粘液が混じったり、表面についたりして出てくる場合があります。
これは、腸の状態が悪い時に、粘液が過剰に分泌されて起こる症状です。
こういった便が見られたら、下痢や嘔吐がなくても何らかの不調が隠れている場合がありますので、受診をおすすめします。
ストレスが原因の下痢だと診断された場合、整腸剤や下痢止めが処方されて様子を見ていくことになりますが、それでも症状が改善しない場合には、寄生虫が原因の可能性もあります
例えば、回虫、条虫などが原因となりますが、これらの寄生虫は肉眼でも見えることがあります。
ですが、肉眼で目視できないサイズの寄生虫(原虫)が原因の場合もあります。
特に先輩犬が同居している場合などは、寄生虫が原因の可能性が濃厚になります。なぜならば、肉眼で確認できないことに加え、成犬においては原虫に感染していても、無症状であったり、軟便程度で気付かないまま、子犬に感染することがあるからです。
同じ寄生虫に感染していても、免疫力の弱い子犬では、下痢を引き起こしてしまうわけです。
そして、原虫が原因の場合、1度の糞便検査ではわからないこと稀ではなく、何度も検査が必要になることも。
処方された薬を飲ませても改善しない場合や、飲み切った途端にまた症状が再発した場合は、またすぐに受診するべきです。
このように、成犬であれば免疫機能によって症状すら出ないようなことでも、子犬にとっては大きなトラブルになることがわかります。
そして、成犬においても下痢や嘔吐は警戒すべき症状の一つですが、子犬では、下痢や嘔吐によって脱水状態に陥ったり、体力の奪われるスピードが成犬よりも早いことは特筆しておかなければなりません。
成犬の場合、1回きりの下痢であったり、嘔吐もなく水分が取れていて元気がある場合には、1日絶食をしておうちで様子をみていただくこともできますが、子犬の場合はまず受診したほうがよいでしょう。そのあと獣医師の判断によってお家に帰れる場合は対処法が指導されます。
成犬と同じく、下痢だけで、嘔吐もなく、元気で水分や食事が摂れている場合は、緊急性が高くないと言えます。
たとえば休日など、すぐに病院を受診できないときには、食事量を減らしたり、1日にあげる量を減らして食事の回数を増やすなど、消化に負担がかからないようにコントロールしてあげてください。
それによって症状が改善するようなら、様子を見ながら近日中に病院を受診してください。
そして、緊急性の高い状態の判断基準としては、
これらの様子が見られる場合は、誤飲による腸閉塞など、処置に一刻を争う場合があるため、迷わずすぐに受診をしてください。
まだまだ未発達で、免疫力の弱い子犬。免疫機能の大きな部分を司ると言われている腸の機能も、成犬と比べて十分ではありません。
子犬のうちから多様な腸内細菌をもっておくことで、消化器系や免疫系でのトラブルリスクを避けたり、免疫の強化につながると言えます。
KINS WITH 動物病院では、わんちゃん猫ちゃんの持つ、常在菌のバランスを整え、腸内環境や皮膚機能を正常な状態に保つことで、トラブルの少ない毎日を目指す、菌ケアの視点からも診療にあたっています。
特に子犬のうちからケアしてあげることで、成犬になるまで、また成犬になってからも、しっかりした免疫機能を備えることが期待できます。
わんちゃんの腸活や、乳酸菌サプリなどが気になる場合は、ぜひ当院へご相談くださいね。