食欲があるのに犬が下痢をするとき
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シー・ズーは、下顎が上顎よりも前に出ており、この状態は、いわゆる鼻ぺちゃと呼ばれている「短頭種」では一般的ですが、不正咬合やアンダーショット(受け口)とも呼ばれ、歯並びや噛み合わせが悪い場合が多く見られるようです。また、大型犬や鼻の長い犬種と同じ42本の歯が、鼻の短いシー・ズーの小さな口の中に生えているため、歯が密集して過密状態になりやすく、このような歯の状態は、食べかすや歯垢が溜まりやすい環境であると言われています。
歯垢は、放っておくと歯石に変わり、歯石の放置は歯周病を引き起こしてしまう可能性もあります。さらに、歯石は家庭での歯磨きでは除去することができませんので、歯垢が歯石になるのを予防するには、毎日歯磨きを行うことが非常に重要です。
これから歯磨きにチャレンジする方へ!
基本的な歯磨きのやり方や、他の犬種の歯磨きのポイントはこちらから確認できます
犬は、大きな肉などの食べ物を噛みちぎって飲み込むため歯が発達しており、歯によって異なった役割を持っています。
水分を多く含んでいるごはんを食べると、食事で水分が摂れるため、食後にお水を飲む回数が減って食べかすなどが流れにくく、口の中に残りやすかったり、噛む回数が減って唾液の分泌が少なくなることがあるようです。このため、犬の歯には歯垢が溜まりやすくなってしまいますが、必ずしも食事を変える必要はありません。このような場合は、マッサージで唾液の分泌を促進させたり、歯磨きをより丁寧に行うなどの工夫が必要です。
では、実際にシー・ズーのどこの歯に歯垢が溜まりやすいのでしょうか。次の3つの歯が、特に歯垢が溜まりやすい箇所と言われていますので、より丁寧な歯磨きを心がけるようにしましょう。
犬の上顎に生えているもっとも大きい歯「第4前臼歯」は、42本の歯の中でもっとも汚れやすい歯と言われています。口の中に入れた食べ物を細かくして、飲み込めるように切断する役割があります。
第1後臼歯は、下顎のいちばん大きい奥歯で上面がすりこぎ状になっていて、細かくなった食べ物を、さらに細かくすりつぶす役割があります。
犬歯は、もっとも尖っている歯で、獲物を捕らえて逃がさないようにする役割のある歯です。奥歯と違って、口唇をめくると磨きやすい歯ではありますが、根元や裏側に歯垢や汚れが溜まりやすいので、磨き忘れのないように気をつけましょう。
歯磨きは、毎日行うことが理想的ですが、難しい場合は最低でも2〜3日に1回の頻度で行うことが望ましいと言われています。それは、犬の歯についた歯垢は、2〜3日で歯石になるため、歯石になる前に歯垢を取り除くことで、歯石化するのを予防することができるからです。
また、いつから歯磨きを始めればよいか迷われる飼い主さまもいらっしゃるかもしれませんが、歯磨きは歯が生え変わる前の子犬の頃から、できるだけ早く始めることが大切です。歯磨きでブラッシングすることによって歯の土台である歯茎が強化され、犬の歯を健康に保つことに繋がると言われています。
ではなぜ、歯磨きが必要なのでしょうか?まず、歯垢は食後8時間程度で形成され始め、24時間程度で歯周病菌などの悪玉菌が増えていきます。さらに、ほおっておくと2〜3日で歯石になり、歯石は歯磨きでは除去することができません。歯石が蓄積すると、歯垢がたまりやすくなり、歯周病を引き起こして悪化させやすくなる可能性があります。そうなると、口の中の細菌が血液にのって全身に行き渡り、心臓や肝臓、腎臓などの病気を招いてしまう恐れもあると指摘されています。よって、歯磨きは、愛犬の歯や体全体の健康を守るために必要な欠かせないケアなのです。
犬が口腔内トラブルを抱えていると、口腔内フローラ(細菌)のバランスが崩れ、病原性の高い細菌が唾液とともに腸に流れ込み、腸内フローラにも悪い影響を与えてしまい、消化器系疾患などの「下痢」を引き起こす可能性もあると言われています。
犬の「下痢」には一過性のものもありますが、何度か繰り返していたり、長期間続くこともあるでしょう。病気の場合もありますが、腸内フローラが乱れて下痢をしやすくなっているかもしれません。乱れた口腔内フローラが腸内フローラに悪影響を与えている可能性もあるので、歯周病予防のためにも毎日の歯磨き習慣をつけるとよいでしょう。
毎日の歯磨きが、犬の全身の健康にも影響しているということがわかりましたが、特にシー・ズーは、短頭種ということもあり鼻が短く口が小さいため、飼い主さまは愛犬の口を固定しづらく、歯磨きをすることに苦手意識を持ったり、愛犬自身も歯磨きが苦手になってしまう場合が少なくないのではないでしょうか。このような場合は、いきなり歯ブラシで歯を磨くのではなく、まずは口の周りを触る練習「マズルトレーニング」から始めて、慣れていくことがおすすめです。
母犬は、子犬のマズル(口のまわりから鼻先にかけての部分)に顎を乗せてしつけを行ったり、マズルを噛むことで、上下関係や「やってはいけないこと」を教えます。犬のこの習性に沿った方法で、人間が取り入れたしつけ方法を、「マズルトレーニング」と言います。愛犬自身も、本能的にやってはいけないことだと認識しやすいため、しつけが効果的だと言われています。
マズルトレーニングを行うには「マズルをつかむ」必要があります。では、その「マズルをつかむ」6つのステップを見ていきましょう。
愛犬の身体を触ったり頭をなでたりして、リラックスさせる
マズルを静かに優しくなでる
鼻先を包み込むように軽くにぎる
マズルをつかんだまま上下に動かしてみる
口を持ち上げたり開けさせたりする
マズルに触れられることに慣れたら、愛犬が実際に悪さをした時にマズルをつかむ
このような6つのステップで、ゆっくりとトレーニングしていきましょう。マズルトレーニングができるようになると、愛犬の歯磨きの他、耳掃除や投薬などの際にスムーズに顔に触れることができたり、興奮を鎮めることなどにも役立ちます。
ただし、マズルには犬の感覚器官が集中しているため、初めは触れられることを嫌がる犬が多く、難しいかもしれません。特に、シー・ズーの場合、嫌がることに加えて、マズルが短いため、つかむことが難しい場合もあります。無理に触ってつかもうとせず、マズルを支えるようにするなど、飼い主さまとのスキンシップを楽しみながら、愛犬のペースにあわせて少しずつ行っていきましょう。
ここからは、シー・ズーならではの歯磨き方法とコツについてご紹介していきます。歯磨きのコツをつかんで、毎日の歯磨きにお役立ていただければと思います。
愛犬のお尻を飼い主さまの方に向けて、飼い主さまの足と足の間に挟むような体制になり、下顎を優しく支えて固定しましょう。愛犬の歯が、飼い主さまの歯磨きをする時と同じ向きになるため、感覚的に磨きやすくなります。
シー・ズーは、マズルが短いため、手で口を固定することが難しいかもしれません。よって、歯磨きの際には、下顎を支えて口を閉じた状態にすることをおすすめします。奥歯や歯の裏側は、歯ブラシに慣れて口を開けられるようになってからでも問題ありません。
シー・ズーは、マズルが短いため、前歯を磨く時はどうしても歯ブラシが見えて、警戒してしまうようです。シー・ズーは、溌剌として賢く愛情深い犬種である一方で、独立心や警戒心、少し頑固な面もあると言われています。そのため、警戒心や頑固な面を強めてしまわないよう、まずは短い時間で横の歯から磨き、少しずつ歯磨きに慣れていくことをおすすめします。シー・ズーは、学ぶことが好きな犬種でもあるようですので、愛犬と絆を深めながらコツコツと気長に進めていきましょう。
①愛犬とコミュニケーションを取りながら、まずは、歯磨きジェルを舐めることや口のマッサージから始めて、少しでもできたらこまめに褒めてあげましょう。
②歯磨きジェルや口に触れられることに慣れてきたら、歯磨きシートやガーゼなどを飼い主さまの指に巻いて少しずつ愛犬の歯や歯茎に触れていきます。指の第一関節辺りまで使用し、奥の歯まで一本ずつ触れて汚れを取り、歯磨きジェルを左右それぞれの歯茎に塗りましょう。
③歯や歯茎に触れられることに慣れてきたら、次は歯ブラシに歯磨きジェルを付けてゆっくりと優しく歯を磨いていきます。愛犬の負担にならないように、「おりこうだね」などと褒めながら少しずつ歯磨きに慣れていきましょう。
「シー・ズーの歯磨きのコツ」でもお話しさせていただきましたように、シー・ズーは、マズルが短いため、前歯を磨く時は歯ブラシが見えてしまい、警戒してしまう犬が多いです。まずは、ほっぺを真横に引っ張るようにして、横の歯から磨いてあげるとよいでしょう。
横の歯を磨くのに慣れたら前歯を磨きます。上の歯は、鼻の近くを抑えてめくりあげ、下の歯は顎先に親指をあてて少し唇を下にずらしてあげると歯の状態がよく見えて磨きやすくなります。
歯磨きのコツを取り入れながら、愛犬の負担にならないように、「おりこうだね」などと褒めながら少しずつ歯磨きに慣れていきましょう。
愛犬が歯磨きを嫌がる時は、歯磨きジェルを付けた歯ブラシを舐めさせたり、歯ブラシで口や歯に触れたり、皮膚をめくったりして口を触ることからスタートし、まずは歯の形や状態をチェックするだけでもよいでしょう。愛犬が口に触れられることに慣れてきたら、歯ブラシを軽く歯にあてながら食べかすや汚れを落としたり、歯や歯茎をマッサージするように磨きます。歯磨きを強制したりゴシゴシと磨く必要はなく、褒めながら優しく歯を磨き、愛犬のペースに合わせて少しずつ慣れていくことが大切です。
また、「1日目は右側、2日目は左側、3日目は前側」のように、歯を「3日で1周」するように磨くと、愛犬と飼い主さまの精神的・身体的な負担を軽減することもできます。毎日少しずつ歯磨きをすることで、愛犬も口に触れられることに慣れてくれるはずです。まずは「3日で1周」を目標に取り組んでみましょう。
愛犬が歯磨きを怖がる場合は、歯磨きジェルを歯茎に塗って唾液腺をマッサージしてみましょう。口全体に歯磨きジェルが行き渡り、口内環境の改善が期待できます。さらに、唾液腺をマッサージすることで、唾液の分泌が促され口内環境がよくなり、歯周病菌の増殖を抑えてくれる効果も期待できます。また、お水に適量のジェルを溶かすだけでできる「デトックスウォーター」を飲むこともおすすめです。
歯磨き後におやつをたくさん与えすぎるのはよくありませんが、歯磨きに慣れていないうちは、歯磨きを頑張った後に褒めながらおやつをあげて、「歯磨きは楽しいものだ」と愛犬に思ってもらうことも大切です。ただし、シー・ズーはやや太りやすい傾向にあるようですので、特におやつを与える量には気をつけ、与えた後はお水を飲むなどして口をすすげるとよいでしょう。
頑張って歯磨きができるようになっても、間違った歯磨きの方法を続けてしまうと、愛犬が痛がったり歯や歯茎に負担をかけてしまう可能性があるかもしれません。ここでは、「デンタルケアでやってはいけないこと7選」をご紹介させていただきます。
歯ブラシや歯磨きシート、コットンなどで歯を磨いてあげなければ、十分なケアはできません。歯磨きガムを歯磨きのご褒美として与えつつ、歯ブラシの練習も行いましょう。
慣れないうちは、歯磨きを楽しいと思ってもらうためにおやつをあげましょう。
硬いものは、愛犬の歯や歯茎を傷めてしまう可能性があります。
デンタルジェルは、口腔内の乾燥を予防したり口臭を抑えたりする効果が期待できます。
無理に歯磨きをしようとすると、嫌になって歯磨きができなくなることがあります。スキンシップから始め、歯磨きジェルなどを歯ブラシにつけて舐めさせてあげ、少しずつ慣れていきましょう。
見えないところで歯周病が進行している可能性もあります。3か月から1年に一度、定期的な歯科検診を受けるようにしましょう。
硬い歯ブラシでゴシゴシと強く磨くと、歯茎を痛めてしまいます。歯1本につき、2〜3秒くらい摩擦をかけながら優しい力で磨いてあげましょう。
歯垢は食後8時間程度で形成され始め、24時間程度で歯周病菌などの悪玉菌が増えてくるとお話ししました。そのため、歯磨きは毎日の習慣にすることが理想的です。毎日のことだからこそ、できるだけ愛犬が負担を感じることなく歯磨きを行い、好きになってもらう必要があります。
また、歯垢は歯磨きをせずほおっておくと、2〜3日で歯石になってしまいます。さらに歯石は、歯磨きでは除去することができず、蓄積すると歯垢がたまりやすくなり、歯周病を引き起こし、悪化させやすくなる恐れもあると指摘されているようです。そうなると、口の中の細菌が血液にのって全身に行き渡り、心臓や肝臓、腎臓などの病気を引き起こしてしまう可能性もあります。
次のステップを取り入れ、歯磨きの時間を飼い主さまと愛犬の楽しいコミュニケーションの時間にし、愛犬に歯磨きを好きになってもらいましょう。
シー・ズーは、溌剌として自信を持ち愛らしい気質で、飼い主さまと一緒に過ごし、注目を集めるのが好き、という性格を持っていると言われています。愛犬に、歯磨きを好きになってもらうためには、このような愛犬の気持ちを満たす飼い主さまとのコミュニケーションが欠かせません。
愛犬との遊びやスキンシップ、ご褒美を取り入れながら、少しずつ顎の下やほっぺの周りの唾液腺をマッサージして褒めてあげ、楽しみながら口に触れられることに慣れていきましょう。口の中に複数ある唾液腺を刺激することで唾液の分泌を促し、口の中の自浄作用や乾燥の予防にも効果があるようです。さらに、口内環境がよくなると、歯周病菌の増殖を抑える効果も期待できると言われています。
歯ブラシを使った歯磨きが苦手な愛犬には、歯磨きジェルを舐めるところから始めてみましょう。歯磨きジェルには、愛犬の好きなヤギミルクなどの美味しい味や香りのするものがありますので、楽しみながらケアできます。愛犬が、歯磨きを楽しい時間として認識し好きになってくれたら、歯磨きを習慣化できる大きな一歩になるかもしれません。
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愛犬に歯磨きを好きになってもらうためには、歯磨きのアイテムも工夫してみるとよいでしょう。
できるだけ、愛犬の口のサイズに合ったものを選び、壊れにくく、噛んでも歯を磨くことができる柔らかい毛が360度ついた歯ブラシや、細くて柔らかい毛が隙間なくぎっしり詰まった歯ブラシなどがおすすめです。これらの柔らかい毛の歯ブラシは、硬い毛の歯ブラシに比べて歯や歯茎を痛めにくく、出血を予防したり、歯を優しく包み込むように磨くことができます。
歯ブラシそのものが苦手な愛犬の場合、歯磨きシートやガーゼなどを飼い主さまの指に巻いて、マッサージするように歯を磨いてあげましょう。同時に、歯磨きジェルをつけて歯茎のマッサージを行うこともおすすめです。
愛犬の歯ぐきは、ヒトの歯茎よりも刺激に弱いので、柔らかい歯ブラシがおすすめです。360ブラシでは歯と歯茎の間(歯肉溝)に毛がうまく入らない場合があるので、皆様がお使いの歯ブラシと同じようにまっすぐ毛が付いた歯ブラシがお勧めです。これを歯肉溝に向けて45度の角度でやさしく磨くのが良いでしょう。
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