食欲があるのに犬が下痢をするとき
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猫の癌は人間と同じように複数の種類があり、それぞれ症状や進行度などに違いがあります。いずれの場合も早期発見・早期治療が基本となりますので、癌になる原因や初期症状などについてあらかじめ理解しておきましょう。
本記事では猫が癌になる主な原因や初期・末期に見られる症状、猫の癌の種類、主な治療法、癌になったときの対応法法について解説します。
猫が癌になる原因は複数あります。中には加齢や遺伝など対処しようのない原因もありますが、一方で生活環境に起因しているケースも少なくないので、猫との暮らしを見直してみることも大切です。
ここでは猫が癌になる主な原因を9つご紹介します。
親猫が癌だった場合、子猫が先天的に癌になりやすい体質を受け継いでいる可能性があります。
ただ、遺伝的な要素の影響は決して大きくはなく、むしろ生活などに由来する後天的な要素が大半を占めると言われています。
猫が癌になる原因の多くは加齢によるものと考えられています。年齢を重ねると免疫力が低下する他、遺伝情報の変異などが積み重なり、癌細胞が発生しやすくなるからです。
加齢は防ぎようがないので、その他の生活習慣などを見直すことで癌のリスクを低減することが重要です。
猫には人と同じく、ウイルスや癌細胞などを撃退する免疫力が備わっています。
ただ、上記で挙げた加齢の他、ストレスが慢性化したりすると免疫力が弱まり、ウイルスや癌細胞への抵抗力が低下して癌になるリスクが高くなります。
猫の癌でも特に多い乳腺癌は、ホルモンバランスの影響を大きく受けていると言われています。特に雌猫の場合、不妊手術を受けた年齢がその後のホルモンバランスに影響を与えると考えられており、乳腺癌の発生率を大きく左右します。
化学薬品が猫の体内に入ると、発癌のリスクが高まると考えられています。
発癌性のある化学薬品は複数ありますが、代表的な例として、殺虫剤や殺菌剤、除草剤などが挙げられます。これらは家庭での虫対策やガーデニングなどに用いられる他、キャットフードの原料となる素材に残留農薬が含まれている可能性もあります。
たばこの煙の中には5,000種類以上もの化学物質が含まれており、このうち約70種は発癌性があると報告されている物質です(※1)。室内で喫煙すると、猫が受動喫煙によって発癌性物質を体内に取り込んでしまい、癌になるリスクが高くなります。
※1 厚生労働省「喫煙とがん」
リンパ系の癌や白血病の多くは猫白血病ウイルス(FeLV)に感染することによって発症します。猫白血病ウイルスに感染したとしても、一時的な感染なら時間の経過と共に体内からウイルスが排除されます。
しかし、持続感染になるとウイルスが常に体のどこかで増殖する状態になり、死亡するリスクが高くなります。なお、持続感染のリスクは成猫になるほど低くなっていきます。
日頃から運動不足や高カロリーの食事ばかり与えていると、猫が肥満になり、癌を初めとするさまざまな疾患にかかりやすくなります。特に高齢になると運動量が少なくなり、肥満がちになるので要注意です。
細菌や真菌感染などによって発生した炎症が長引くと、マクロファージと呼ばれる免疫担当細胞が集まり、腫瘍ができることがあります。
癌は体のさまざまな場所に発生するおそれがあるため、症状は多岐にわたります。癌を早期治療するためには、猫に気になる症状が出ていないか、日頃からチェックしておくことが大切です。
ここでは猫の癌の初期症状、末期症状について解説します。
癌の初期症状は他の病気と見分けがつきにくいものも多くあります。勝手に自己判断せず、気になる症状が現れたらなるべく早めに病院を受診しましょう。
なお、初期症状は必ず現れるわけではなく、まったく見られないこともあります。症状がないとしても、念のために定期的に検診を受けることをおすすめします。
癌の主な初期症状には以下のようなものがあります。
猫の体にしこりやイボが見られる場合、何らかの腫瘍ができている可能性があります。腫瘍は生命に関わる危険性がない良性のものもありますが、癌や肥満細胞腫など悪性のものである可能性もあるため、しこりが見つかったらまずは病院を受診しましょう。
なお、しこりやイボは口や耳の中、つま先、肛門など目に見えにくい部分にできることもあるため、スキンシップも兼ねて細かいところまでチェックする習慣を付けるのがおすすめです。
癌に限った話ではありませんが、猫の体調が悪かったり、体のどこかに異常があったりすると、急に元気や食欲がなくなったり、体重が落ちたりすることがあります。
猫は人に比べて体が小さいぶん、多少体重の減少があっても気付きにくいので、日頃からこまめに体重を測定しておくとよいでしょう。
咳やくしゃみなどは風邪に多い症状ですが、中には鼻腔内に発生した腫瘍や肺癌が原因になっているケースもあります。特に鼻腔内に発生する腫瘍は、悪化すると鼻血が出たり、鼻の周辺が腫れて顔が変わったりすることがあるので気を付けて観察しましょう。
一時的な下痢・便秘・嘔吐なら問題ないことが多いですが、何度も症状を繰り返したり、症状が長引いたりする場合は胃腸に癌ができている可能性があります。
傷や皮膚炎の治りが悪い場合、皮膚癌やリンパ腫ができている可能性があります。また、腫瘤が肥大化して中から壊れると、浸出液や出血、においなどを伴う自壊創ができることもあります。
尿に血液が混じっている場合、膀胱癌になっている可能性があります。また、腫瘍が尿道を塞いだり、膀胱の膨らみが妨げられたりすると、排尿障害(尿が出ない、出にくい)や頻尿の症状が起こることがあります。
猫の癌が末期まで進むと、体のあちこちにできた炎症や肥大化した腫瘍による圧迫などで、機能障害が起こり始めます。機能障害が発生すると、初期症状がさらに悪化したり、栄養をうまく代謝できず体が衰弱したりする危険性があります。
さらに呼吸困難など重篤な症状も現れ始めるので、末期癌になる前に早期発見・早期治療することが大切です。
猫が罹患する主な癌は7種類あります。
リンパ腫とは、白血球の一種であるリンパ球が癌化したものです。リンパ球は全身の至るところに存在するため、癌化した場所によってさまざまな型に分類され、症状もそれぞれ異なります。特に多いのは腸に発生する消化管型で、下痢や嘔吐、食欲の低下などの症状が現れます。
適切な治療を行わなかった場合、平均余命は1~2カ月と短いため、早期発見・治療が必要になります。
扁平上皮癌とは、皮膚細胞の一種である扁平上皮細胞の腫瘍です。扁平上皮細胞が存在する場所ならどこでも発生し、主に耳や鼻、口腔内、指などに見られます。
扁平上皮癌ができると、表面がただれたり、カリフラワー状になったりするので比較的異常に気付きやすいですが、口腔内にできた場合は発見が遅れることもあるため、こまめに口の中をチェックしておくとよいでしょう。
乳腺腫瘍とは、乳腺に発生する腫瘍のことです。10~12歳くらいの雌猫に多く見られる癌ですが、若い猫や雄猫にできることもあるため、油断はできません。
乳腺腫瘍ができると、胸や腹の表面に小さなしこりができることがありますが、猫の場合は無症状であることが多く、外観だけで判断するのは困難とされています。
なお、乳腺腫瘍には良性と悪性がありますが、猫の場合は大半が悪性とされているため注意が必要です。
肥満細胞腫とは、肥満細胞が腫瘍化したものです。皮膚に発生するものと、内臓に発生するものの2種類がありますが、前者は比較的低悪性度のものが多いのに対し、後者は高悪性度のものが多く、転移のリスクがあると言われています。
腫瘍ができる場所は、皮膚の場合は顔や耳、内臓の場合は肝臓や腸、脾臓などに発生します。内臓にできた腫瘍は見た目ではわからないため、嘔吐や下痢、食欲不振などの症状が出ていないかどうか、日頃からよく観察しておくことが大切です。
血管肉腫とは、血管の内皮に発生する癌のことです。その性質上、血管が多く存在する肝臓や脾臓でよく見られます。犬に比べて猫の血管肉腫の発生率は低いと言われていますが、一度発症すると治療や制御が難しく、手術や化学療法を施しても余命は半年ほどとされています。
また、初期症状が見られることも少ないため、早期発見が難しく、腫瘍の破裂・出血によって発覚するというケースも珍しくありません。そのため、血管肉腫は日頃から免疫力を高めて予防に努めるのがベターとされています。
肺癌は、肺に悪性の腫瘍ができる疾患のことです。猫の場合、レントゲン検査でも肺炎様にみえることもあります。初期の段階では目立つ症状が現れないため、発覚したときにはかなり症状が進行しているケースもあります。
肺癌が悪化すると、呼吸が速くなったり、血が混じった痰を吐いたりする症状が見られるようになります。
肝臓腫瘍は、肝臓に腫瘍が発生する症状のことです。猫の肝臓腫瘍の発生率は犬より高いと言われていますが、悪性腫瘍である割合は犬より低いようです。
ただ、悪性腫瘍である可能性もゼロではなく、かつ罹患した猫の半数が無症状であることから、知らない間に腫瘍が進行している可能性もあります。
症状が悪化すると、腹水が溜まったり、皮膚が黄色くなる黄疸が現れたりすることがあります。
猫の癌の治療法は、腫瘍のタイプや進行度などに応じて主に3つに分類されます。場合によっては複数の治療法を組み合わせることもあり、ご家族の要望も踏まえながら最適な治療法を決めていきます。
ここでは猫の癌の治療法について説明します。
癌が原発巣(最初に癌が発生した場所)のみに留まっている場合、手術で癌を外科切除する方法が効果的です。ただし、他の部分に転移している場合や、腫瘍の周辺にある正常組織が確保しにくい場合は、後述する放射線治療や化学療法を主体とした治療法が採用されます。
高エネルギーの放射線を照射し、癌の増殖を抑える治療方法です。さまざまな癌に適応できる治療法ですが、特に手術が難しい鼻腔内腫瘍などに用いられます。
ただ、放射線治療に対応している病院は限られているため、かかりつけの動物病院から大学病院への紹介という形になるのが一般的です。
抗癌剤を投与して腫瘍の増殖を抑える治療法です。局所的な治療である手術、放射線治療とは異なり、抗癌剤は全身に作用するため、癌の転移を防ぐ方法として多用されています。
ただ、副作用を伴うことが多く、食欲低下や吐き気、下痢、赤血球や白血球、血小板が減少する骨髄抑制などの症状が起こることがあります。
愛猫が癌になってしまったときにご家族ができる対処法を3つご紹介します。
前述の通り、猫の癌の治療法は複数あります。それぞれにメリット・デメリットがある他、治療費も異なるため、医師と相談しながら、適切な治療方法を選択しましょう。
前述のように、癌と一言にいってもさまざまな種類があり、その原因や症状は大きく異なります。愛猫が癌だと診断されたら、どこにできた癌で、どのような症状が起こるのか。日常生活でどのような点に気を付ければよいのかなど、必要な知識を学んでおきましょう。
癌に関する情報は医師が教えてくれるので、わからないことや疑問に思うことがあったら積極的に質問し、理解を深めることが大切です。
猫が癌になると、食欲が低下してしまいがちです。食が細くなると闘病するための体力も落ちてきてしまうので、食事の仕方や内容を見直し、できるだけ食事をとってもらうよう配慮しましょう。
例えば、キャットフードをお湯などでふやかして食べさせたり、好物を少量混ぜたりすると、食欲が湧いてくるかもしれません。
なお、癌のせいで自力で食事するのが難しくなっている場合は、水分量が多いウェットフードを与えたり、ご家族が口元まで食事を運んであげたりするのも一つの方法です。
猫ちゃんの病気の進行ともにやり方を変えていく必要があります。悩んだ時、上手く行かなくなったときは担当の先生に相談することをおすすめします。
渡邊動物病院の木村です。
癌(がん)・腫瘍の治療は、愛犬・愛猫にとっても、飼い主様にとっても負担が大きいです。だからこそ、その子に寄り添い、外科手術・化学療法・放射線療法の中から、治療を行います。
また、当院では緩和ケアも積極的に取り入れています。鎮痛剤だけではなく、闘病中の愛犬・愛猫の負担を少しでも減らすために、ご家庭でもできるお手入れの仕方や食べ飲み時の介護などもお伝えいたします。