食欲があるのに犬が下痢をするとき
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ノミを予防することは、ノミによる不快な症状や健康上の問題などのリスクを軽減し、犬の健康を守ることに繋がります。今回は、ノミが犬に寄生した場合に現れる症状や、対策と駆除方法などについてご紹介させていただきます。
ノミは、犬や人間、その他の動物などに寄生して血液を吸う外部寄生虫です。成虫は2.5mmほどの大きさで、体の色は黒か茶色がかった黒、血液を吸って体がいっぱいになると赤みがかった黒に見える場合もあるようです。
ノミの種類によっては、体長の100倍ものジャンプ力を持ち、長距離を移動できる種類もいるようで、お散歩中に植物や他の動物から犬に飛び移る可能性もありますので、予防と対策は日常的に行う必要があります。
また、ノミの生存期間は14日〜最長1年で、メスは1日に最大50個の卵を産み、その卵もまた家庭内の家具やカーペットなどで最長1年生存することができると言われています。卵から孵化し成虫になる前の「蛹(さなぎ)」も繭の中で何ヶ月も休眠状態を保つことができるうようですので、犬にノミが寄生していた場合はノミの卵が家庭内の寝具や家具、床やカーペットなどに落ちている可能性もあるかもしれません。ノミをそれ以上増やさないためにも早めに掃除をしたり、愛犬に無害な方法で駆除した方がよいでしょう。
ノミが増えてしまうと、人間も刺されてしまう危険性もありますし、ノミに刺されることで細菌性疾患やアレルギー性皮膚炎を引き起こしたり、小腸に寄生する「サナダムシ」と呼ばれる条虫が媒介され、犬が胃腸炎をおこしたり、栄養障害を起こす可能性もあります。
このようなノミの危険性や脅威を理解し、日頃からノミを犬に寄せ付けないよう積極的な掃除や駆除を行い、家庭内の環境を清潔に保つことが非常に重要と言えるでしょう。
できればノミの寄生は予防したいという飼い主さまがほとんどでしょう。上述したように、家庭内の掃除を徹底的に行っていたとしても、ノミを100%予防することは難しいかもしれません。もし、ノミが犬に寄生した場合、犬にはどのような症状が現れるのでしょうか。
ノミの寄生によって引き起こされる症状には、軽度から重度のものまで多岐に渡ります。例えば、犬はノミに刺された場所、特に頭や首、尻尾の周りなど、通常ノミが集中しやすい場所を引っ掻いたり噛んだりします。また、脱毛、痛み、斑点、赤みや炎症、皮膚が厚くなる(特に耳のふち)などの症状も現れるようです。
重度の場合は、ノミに刺された場所を犬が引っ掻いたり噛むことで、皮膚の炎症が悪化して赤くなったり、刺された場所に付着したノミの唾液に反応し、アレルギー性皮膚炎を引き起こす可能性もあります。極端な場合、ノミの吸血が原因で貧血が起こることもあるようです。
また、飼い主さま自身にも虫刺されの跡がある場合は、ノミが犬に寄生している可能性が高いので、気がついた場合は犬の体や様子をチェックしてみるとよいでしょう。
以上のような症状がある場合、ノミの寄生が原因で現れている可能性がありますので、まずは早めに獣医師の診察を受けることが大切です。
ノミは、小さいながらも目に見えるサイズではありますが、動きが素早いため犬に寄生しているノミを見つけるのは非常に困難です。もちろん、犬に上述したような症状、特に、背中や後ろ足の周りを引っ掻いたり噛んだりしている場合もノミが寄生している可能性が考えられますが、次のような方法でも「犬にノミが寄生しているかも?」とノミの寄生を疑ってみることはできるかもしれません。
ノミの寄生を証明するには…ノミの糞、つまりノミの排泄物を利用して証明する方法です。キッチンペーパーなどの上でブラッシングをするか、のみとりぐしで毛をすくと、ノミの排泄物(黒胡椒のような粒)が取れてくることがあります。そうしましたら、そこに水を数滴加えてみましょう。黒胡椒のようなノミの排泄物が赤茶色に変色した場合、それはノミが血液を消化した後の塊と考えられているため、犬にノミが寄生している可能性が高いと言えるようです。
ノミの寄生による症状があったり、実際に犬にノミが寄生していた場合、早めに獣医師の診察を受けることが大切です。その後、獣医師による適切な指示に従い、ノミの駆除や予防のための投薬を行いましょう。また、ノミの生存期間は、14日〜最長1年と言われていますので、ノミの駆除・予防薬を投与するだけでなく、冬でも夏と同様に、家庭内の寝具や家具、床やカーペットなど、隅々までこまめな掃除をしたり駆除をして、清潔に保つことも非常に大切です。
もっとも効果的なノミの駆除方法は、定期的に駆除・予防薬の投与を行うことです。これらのノミ駆除・予防薬の多くは、犬の嗜好性に寄り添ったチュアブルタイプの食べやすいものが多く、投与後30分から数時間以内に効果的に作用し、ノミだけでなくダニからも犬を守ることが可能です。
また、ノミ駆除・予防薬に加えて次のようなノミの駆除方法もあります。
犬の首の後ろなどに塗布して、ノミを駆除したり予防したりする方法も非常に効果的と言われていますが、その効果が現れ始めるまでには、12時間〜24時間ほど時間がかかるようです。小さなお子様や猫ちゃんが、薬を塗布した犬に触れる場合は、薬が完全に乾いてから触れるようにしましょう。
獣医師によって投与されたノミ駆除・予防薬と併用して、ノミ駆除の薬用シャンプーを使って犬の体を洗ってあげることで、ノミの活動を抑え、犬の症状を和らげることが可能です。櫛などを使って、ノミの垢、排泄物、卵などを取り除きましょう。ただし、ノミ駆除の薬用シャンプーだけでは、永続的な効果は得られませんので、やはり、獣医師によって投与されたノミ駆除・予防薬との併用がおすすめです。
犬に寄生したノミを駆除するだけでなく、犬が生活している環境も定期的にこまめに掃除をする必要があります。寝具や家具、床やカーペットなど定期的に掃除機をかけ、必要であれば、ノミ駆除用の薬剤をスプレーしたり、専門家に依頼しノミを退治してもらうこともよい駆除方法かもしれません。ただし、この場合、犬に害のない製品を使う必要がありますので、十分安全なものを選んで行うようにしましょう。活動が活発な夏だけでなく、冬も暖房などで室温や湿度が暖かく保たれている場合が多いため、一年中家庭内の環境を清潔に保つことが大切です。
ノミが犬に寄生すると、皮膚のかゆみや痛みなどの不快な症状に加え、細菌性疾患やアレルギー性皮膚炎を引き起こしたり、小腸に寄生するサナダムシを媒介したり、貧血などを引き起こす危険性があることがわかりました。また、ノミの数が増えることで、人間も刺されてしまう可能性もありますので、ノミの寄生による症状が現れたりノミを見つけた場合は、早めに退治しておくことが被害を拡大させないためにも非常に重要であると言えます。ノミの生存期間は14日〜最長1年ですので、犬が生活している環境を定期的にこまめに掃除することは、一年を通してノミを退治することに繋がります。
また、定期的なシャンプーやブラッシングなどもノミの予防対策として忘れてはいけません。毎日の散歩で植物に触れることや他の犬と一緒に遊んで触れ合うことでも、ジャンプ力のあるノミは簡単に移動できますので、特に、ブラッシングは毎日の習慣として行い、逆毛を立てるようにして犬の皮膚にノミの垢や排泄物がないかをチェックすることも、ノミ予防の対策としてよい方法と言えるでしょう。
もっとも効果的なノミの予防対策は、獣医師によって処方されたノミの駆除・予防薬を定期的に投与することです。ノミの駆除・予防薬を投与した上で、定期的なシャンプーやブラッシング、こまめな掃除を行うことが、より効果的なノミの退治、ノミの予防対策になるのではないでしょうか。
2023年10月にKINS WITH動物病院グループの一員になりました、渡邊動物病院の皮膚科認定医の木村です。
皮膚のお悩みは、原因が複合的なことが多く、特定が難しいと言われています。足先に皮膚炎の症状が出ていても、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの可能性もあれば、足の関節が痛くて足を舐めて皮膚炎になっている可能性もあります。
私は皮膚科認定医でありながら、腫瘍認定医でもあります。日本獣医循環器学会や日本獣医歯科研究会に所属し、幅広い知見があります。皮膚に限らず、幅広い分野に精通しているからこそ、皮膚病の要因をあらゆる観点から分析し、根拠をもって適切な治療方針をご提案します。