犬の歯垢がたまる理由、たまりやすい理由

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わんちゃんの口臭や、歯茎が赤く腫れたり出血に気がついた場合、それはわんちゃんの歯に歯垢が溜まってきているサインかもしれません。歯垢は歯磨きで除去が可能ですが、歯垢を放置してしまうと唾液と反応して硬化し歯石になります。歯石になってしまうと歯磨きでは除去できません。今回は、その歯垢が溜まる理由と、溜まりやすいわんちゃんの口の中の特性や環境、理由についてお話ししていきます。

歯垢って何?

歯垢とは「プラーク」と呼ばれ、食後24日間以内に歯に形成される透明な粘着性の物質のことです。24時間経っても放置されたままでいると、歯垢は唾液に含まれるミネラル成分と結合し硬化を始めます。歯垢が硬化し石灰化し続けると歯垢は歯石に変わります。

歯垢って歯石とは違うの?

上にも述べましたとおり、歯石は歯垢が除去されないまま放置され硬化したもののことです。歯垢は、歯磨きで除去することができますが、歯石になってしまうと歯磨きでは除去できず、獣医師による全身麻酔下での専門的な処置「スケーリング」でないと、除去することができません。

では、歯垢が溜まってしまう理由、歯垢が溜まりやすい原因や環境はどういった理由が考えられるのでしょうか。この答えを知ることができれば、歯垢が溜まることの予防、歯石の予防が可能になり、それぞれのわんちゃんに合わせた歯磨きの工夫ができるはずです。それでは、詳しく一緒に見ていきましょう。

歯垢が溜まる理由

歯垢は、食後24日間以内に歯に形成される粘着性の物質で、そのまま放置してしまうと歯石になると述べました。つまり、歯垢が溜まる理由は、食後の歯磨きをせず歯垢を放置したため、というのが理由になります。また、歯垢はわんちゃんの口の中の細菌、食べかす、唾液の3つが出会うことで反応が起こり蓄積が始まります。そういう点から考えると、食後の食べかすだけを歯磨きして綺麗にするということも大切ですが、わんちゃんの口の中の環境を普段から綺麗に保つことも大切だとおわかりいただけるでしょう。

歯垢は、毎日の歯磨きで除去が可能です。少なくとも、一日に一回は歯を磨きましょう。また、獣医師による定期的な歯科検診もおすすめです。家庭での歯磨きでは見落としがちなところも、獣医師によって綺麗にクリーニングすることができます。

歯垢が溜まりやすい理由

では、歯垢が溜まりやすい理由はあるのでしょうか。わんちゃんの口の中の特性などに触れながらその理由を解説していきます。

①噛むことが少なくなった

歯垢ができやすい理由には、わんちゃんが狼の子孫であるということにも関係しているようです。野性の動物たちは、歯を使って狩りをします。獲物を獲ったり、引き裂いたり、柔らかいものを何度も噛むことで、歯とそれらが擦れることによって歯垢が除去されていたとも言われています。それに対して現在は、わんちゃんにとって食べやすく柔らかい食事や調理済みのものが多く、よく噛むタイミングが少なくなったため、歯と擦れ合うことが減り歯垢が溜まりやすくなったとも言われているようです。

噛むおもちゃなどを与え、遊びながら歯磨きができるよう工夫をするとよいでしょう。硬いおもちゃは歯が折れたり傷つく可能性もありますので、ロープのような歯磨きの代わりになるようなおもちゃがおすすめです。

②犬の唾液の性質

わんちゃんの唾液の性質はアルカリ性のため、人間とは違い虫歯になりにくい環境である反面、歯垢や細菌の繁殖がしやすい環境だと言われています。定期的に歯磨きをしてわんちゃんの口の中を衛生的に保ちましょう。

③糖質の摂取

わんちゃんの口の中の細菌は糖質などの炭水化物を好み、この影響によって歯垢の蓄積を早めてしまうことがあります。甘いおやつを与えすぎると歯石が溜まりやすくなってしまいますので、わんちゃんの健康のためにはもちろん、甘いものは控えた方がよいでしょう。

④歯の構造

歯垢が溜まりやすい理由として、わんちゃんの歯や口の構造によるものもあります。特に小型犬は、口が小さく歯と歯が密接しているため、歯垢が溜まりやすくなるだけでなく、歯を傷つける可能性も高くなります。歯と歯の間に食べかすが残ってしまったり、歯ブラシでは奥まで磨きにくいなどのデメリットもありますが、毎日の歯磨きをより丁寧に行うことに加え、獣医師による定期的な歯科検診によってサポートが可能です。

また、歯並びや噛み合わせの状態が良くないわんちゃんの場合も、噛むことや食べることが苦手になったり難しい場合があるため、歯垢が溜まりやすいと言われています。

以上のことからわかるように、生活スタイルや環境の変化、わんちゃんの歯や口の中の特性などを踏まえて考えると、わんちゃんの口の中の環境は、細菌や歯垢が溜まりやすい環境と言えるでしょう。しかし、歯垢は放置してしまうと細菌が増殖し硬化によって歯石に変わってしまいます。

歯石になってしまうと、家庭での歯磨きでは除去できず、獣医師による全身麻酔下でのスケーリングでなければ歯石を除去することができません。さらに、歯石は表面がざらざらとしており細菌が好む環境で、細菌の増殖を促進してしまいます。その細菌が血液に乗り、全身に行き渡ることで、腎臓や心臓に影響を与えてしまうかもしれません。

歯垢は放置せず、毎日の歯磨きで取り除きましょう。家庭での歯磨きでは見落としがちなところも、獣医師による定期的な歯科検診を受けサポートしてもらうこともおすすめです。

歯磨きは歯と口だけでなく、わんちゃんの体全体の健康の維持にもつながりますので、ぜひ毎日の歯磨きを習慣化しましょう。

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