食欲があるのに犬が下痢をするとき
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今回は緑内障についてご紹介します。
「うちのわんちゃんの目がいつもと違う…」
といった飼い主さまが気づきやすい症状の場合は、
緑内障が進行してるかも。
緑内障とは何なのか、なりやすい犬種があるのか、治療はできるのか。
この記事をチェックしてみてくださいね。
緑内障とは、眼圧の上昇によって引き起こされる目の病気です。眼圧とは眼球の中から外にかかる圧力のことをいい、この圧力は眼球の中の房水と呼ばれる水分が多くなればなるほど高くなっていきます。房水は、眼球で使用される栄養素と酸素が含まれており、シュレム管という部分から常に排出されています。房水の生成と排出のバランスが等しければ、眼圧は一定に保たれます。
緑内障はしばしば痛みを伴います。房水が十分に排泄されないことによって眼圧が上昇し、目の神経への継続的な損傷損傷により、急にまたはゆっくりと失明を引き起こす可能性があります。これらの緑内障は獣医師による迅速な診断によって失明を防ぎ、また遅らせることもできます。では、どんなことが原因で緑内障は起こるのでしょうか?
眼球の中の房水の量が徐々に多くなり、眼圧が上昇します。特定の犬種内(以下参照)の遺伝によって引き起こされます。どの年齢でも発生する可能性がありますが、原発性緑内障のほとんどのわんちゃんは3~7歳前後の早期または中年期に発症します。両目で発生してしまうことが多いです。
続発性緑内障は、目の病気や損傷による眼圧の上昇を引き起こします。続発性緑内障は原発性緑内障よりもわんちゃんの緑内障の一般的な原因です。原因となる病気には以下のようなものがあります。
目の内部の炎症または重度の眼内への細菌感染によって、シュレム管からうまく房水が排出できずに眼圧が高くなる状態のこと。
眼球内でレンズの役割をする水晶体が前方に倒れ、房水の排出を物理的に塞いでしまうこと。
房水の出口を塞いでしまったりその周辺で炎症を引き起こし、眼圧が高くなってしまうこと。
先ほど紹介した原発性緑内障になりやすい犬種についてご紹介します。
・秋田犬 ・紀州犬 ・アメリカンコッカースパニエル
・イングリッシュコッカースパニエル・シベリアンハスキー ・シーズー
・ダルメシアン ・バセットハウンド ・ビーグル ・フラットコーテッドレトリバー
など
急性緑内障では、目の突然の変化と痛みの症状によって、わんちゃんの飼い主さまが気づきやすくなります。
・目に赤みがある
・目が腫れているようにみえる
・目をこすったりひっかいたりする
・目を細める
・目から涙がたくさん出てくるようになる
・物にぶつかる
慢性緑内障は症状が見られないことが多く、ご家族の皆さんが異変に気付けないことがよくあります。軽度や中程度の慢性緑内障に関する症状には以下のような症状がみられます。
・目の外側の層が白くかすんでいる様子である
・光への反応が遅く、わずかに瞳孔が開いている
・目が大きく見える
長期にわたる眼圧の上昇により眼球が非常に大きく見え、まぶたの上から触ると固くなっているように感じます。眼球の中に増え続けた房水が継続的な圧力から最終的には眼球が破裂してしまうことがあります。
失明や目の神経の損傷のリスクを軽減し、できるだけ早く眼圧を下げるために投薬で処置をします。もし緑内障のわんちゃんで基礎疾患がある場合は、まずはその疾患の治療をすることも大事です。通常、眼圧をすばやく正常値まで下げるために複数の目薬を処方することが多いですが、それに加えて病状に伴う不快感を治療するための鎮痛剤を処方する場合があります。
緑内障が慢性的な状態で目薬や内服薬の治療で改善しない場合や再発した場合、眼圧を下げるために専門の動物病院で手術をします。緑内障が発見されない期間が長ければ長いほど、目の神経が修復不可能なほど損傷を受ける可能性が高くなり、場合によっては眼球を摘出する必要があります。
続発性緑内障は、緑内障の原因になる怪我や事故を避け、関連する疾患や、感染症(特に目に関連する感染症)の治療をできるだけ早く行うことで防ぐことができます。しかし、原発性緑内障は遺伝によるものであるため予防はできません。
緑内障の種類に関わらず進行と失明を防ぐためには、早期発見が大事になってきます。
高齢のわんちゃんや緑内障になりやすい犬種の場合は、定期的に眼圧を検査するようにしましょう。
ほとんどの緑内障のわんちゃんは生涯にわたる治療が必要となりますが、基本的にはおうちで過ごすことができます。治療を開始するときには、房水の状況確認と処方薬の調整のため、定期的に動物病院を受診する必要があります。
また、緑内障による失明で結果として眼球を摘出する場合は、抜糸するまでは保護のためエリザベスカラーをわんちゃんに着用させますが、それが終わるといつも通り過ごせます。
手術後の最初の数日間は麻酔の影響が残り不快感が生じる場合がありますが、投薬でコントロールが可能です。また合併症は稀なので、手術を受けた犬のほとんどは通常通りの生活に戻れます。
少しでもわんちゃんの様子が「おかしいな…」と思ったら、すぐに動物病院で治療をしましょう。迅速な診断と治療、そして獣医師からのアドバイスを受けてわんちゃんの健康状態を常に観察することが大切です。
健康診断、予防接種、去勢避妊手術はもちろん、内科・ 消化器等の幅広い診療、終末期診療まで、たくさんのお悩みに寄り添いながら診察を行います。
愛犬・愛猫だけでなく、ご家族にも安心してお越しいただけるよう、基本的にはご家族の前で検査を行い、丁寧にお話を伺いながら診察を進めていきます。そのため、超音波検査も診察室の中に設置しております。
さらに、 血液検査機器を導入し、外部機関への依頼では数日かかる検査を、その場で見る事ができ、素早く診断、治療することへとつなげていきます。