食欲があるのに犬が下痢をするとき
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「うちのわんちゃん、最近よく涙が出ているな…」
「涙があふれて、目の下にシミがついてきた…」
今回は目の下の部分にシミがつく『涙やけ』についてご紹介します。
飼い主様が気づいたときには、もしかすると症状が進行しているかも。
概要から症状、なりやすい犬種、そして治療はできるのか。
ぜひこの記事をチェックしてみてくださいね。
涙やけとは、目の下が常に涙に濡れた状態になり、涙の成分によって目の下の毛の部分が赤褐色に変わる状態のことをいいます。この涙の成分は「ポルフィリン」と呼ばれ、体が鉄を分解するときに生成されて尿や唾液、涙を通じて排出されます。この成分を含んだ涙が長時間付着するとシミになり、涙やけを引き起こします。
わんちゃんの涙やけの原因には主に5つの原因があります。
顔の構造上、遺伝によって涙やけになりやすい犬種があります。このあとの涙やけになりやすい犬種を紹介します。
涙やけは環境が原因になって引き起こされる事があります。たとえば、井戸水は鉄分の含有量が多くポルフィリンを多く生成してしまうため、ボトル入りの水を飲ませることで涙焼けを予防することができる場合があります。
目の周りの皮膚の感染症は、涙やけを引き起こす原因のひとつです。
わんちゃんの涙やけはまつ毛の生え方や涙管の異常によって引き起こされる事があります。まつ毛は眼瞼内反症(まぶたが内側に折れている状態)によって眼球が刺激され、わんちゃんが眼をこすってしまう原因に。この場合、角膜を守ろうとするため眼球は通常よりも多くの涙を分泌するため、涙焼けが発生しやすくなります。
目から鼻に涙を流す鼻涙管という管が詰まってしまうことにより、涙があふれてしまい、涙焼の原因になることがあります。涙管を通ってうまく排出できないと涙やけができる原因となります。
原因を見ていくと、いろいろな要素がある事がわかります。しかし、1つ気になるのは「遺伝」です。飼い主様のわんちゃんはもしかすると涙やけになりやすい犬種かもしれません。
犬種に関係なく白い毛のわんちゃんは、涙の色素が明るい色の毛に染まるため、涙やけをすぐに気づくことができますが、シーズー、ペキニーズ、パグなどの鼻の短い犬種は、眼窩(眼球の周りの骨の部屋)が浅くなったり、目の周りの皮膚のひだに毛が生えてしまう事があるため涙やけができやすいといわれています。また、コッカースパニエルやプードルなどは、他の犬種に比べて涙管が詰まりやすく目の下に涙が溜まりやすくなるので涙やけになることが多いです。
では、どんな症状が見られるのでしょうか…?
涙やけになりやすい犬種もそうでない犬種にも共通した症状があります。
涙やけの初期症状として、飼い主の皆さんが気づく事ができる初期症状には以下のものがあります。
・目を細める
・炎症で目や目の周りが赤くなる
・わんちゃんが目を痛そうにする
・涙がたくさん出ている
・目の周りがたるんでいる
わんちゃんの先天的な異常による涙やけの症状として、まぶたの開きが大きいことにより眼球の露出が多くなる犬種がいます。それによって、まぶたが通常の位置よりも外側に反っている状態の眼瞼(がんけん)外反症を引き起こす可能性があり、グレートデン、ブラッドハウンド、スパニエルによく見られます。
治療の最初のステップは、目の炎症の原因を解決することです。そのため、涙やけの部分の組織または角膜から異物を取り除きます。そこで結膜炎(ものもらい)や角膜潰瘍(目がただれる)が見られた場合は、その病気の治療をします。涙がうまく排出されない原因がこの時点で発覚した病気であれば、涙が正常に排出されるため涙やけが改善する場合があります。
それでも病状が良くならない場合は、下記の治療を行います。
鼻涙管の詰まりが疑われる場合は、わんちゃんに麻酔をかけ、器具を鼻涙管に入れて詰まりの原因となる異物を取り除きます。また先天的にまぶたに異常がある場合は、外側や内側に反ってしまったまぶたを通常の位置に留める手術ができます。通常は手術が終わった後は、症状は十分に解消され涙やけが見られなくなります。
わんちゃんが涙やけにならないためには、おうちで簡単に予防することができます。まず、涙がたまらないように獣医師またはトリマーに目の周りの毛を短く整えてもらいます。そのあと、ぬるま湯や目の洗浄液で湿らせたウォッシュクロス(タオル)を使用し、その部分を拭くと効果的です。目の下に涙がたまるのを防ぎ、清潔な状態を保つ事が重要です。
「穀物を使ったドッグフード」はしばしばわんちゃんの消化器系を刺激するため、アレルギー反応によって涙が過剰に出ることがあります。そのため、涙やけを起こしているわんちゃんに対しては控えた方が良い場合が多いです。消化器系に刺激を与える食事を避ければ、わんちゃんが涙やけになるリスクを最小限に抑えられます。
涙やけの根本的な原因を見つけて治療をしなかった場合、わんちゃんは生涯を通じて断続的に涙やけになる可能性があります。原因を見つけたとしても眼球が露出している犬種は、顔の構造上涙の排出がうまくいかずに涙やけの症状が続いてしまうこともあります。
わんちゃんの涙やけは命に関わる病気ではありませんが、涙やけした部分から皮膚の炎症や感染症などの合併症を引き起こす可能性があるため、放っておくことは避けましょう。
先ほど紹介した初期症状に1つでも当てはまる場合は、近くの動物病院の獣医師に診てもらいましょう。迅速な診断と治療、そして獣医師からのアドバイスを受けてわんちゃんの健康状態を常に観察することが大切です。
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