【犬の埋伏歯】概要と症状、治療について

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今回は埋伏歯(まいふくし)について紹介していきます。

簡単に言うと「歯ぐきから出てこれない歯」のことを指します。つまり、飼い主の皆さまが目では確認することが難しく、わんちゃんも初期症状を表さないこともあります。しかし、ずっと放置をし続けると、埋伏歯の周りの歯を失う可能性も…

ぜひこの記事をチェックしてみてくださいね。

犬の埋伏歯の概要と原因

埋伏歯とは、歯が生えてくるスペースがなかったり歯の位置が異常であるために、歯肉の中に埋もれている歯のことを言います。初期の場合は自覚症状がほとんどないため、埋伏歯があるかどうかは歯科用のレントゲン検査によって判明することが多いです。もし判明した場合はできるだけ早く抜歯する必要があります。

わんちゃんが埋伏歯によって病気を発症する確率は、29.1%といわれており、短頭種(ボクサー、ボストンテリア、パグ、シーズー)は他の犬種よりも発症しやすいといわれています。

埋伏歯の犬の症状

冒頭でも触れたように、埋伏歯のあるわんちゃんは、歯が表に出てこないことや痛みを伴うこともないため、初期症状にほとんど気づくことができません。少し症状が進むと、あごの成長によって噛み合わせがうまくいかなくなることがあります。気づいたときにはすでに症状が進んでいる可能性があるため、その場合にはすぐに動物病院にて診断することをおすすめします。

埋伏歯の犬の診断

わんちゃんに埋伏歯があるかどうかを確認するためには、レントゲン写真(X線)を使って診断をします。歯科のレントゲンでは、わんちゃんの口の中にセンサーを入れるため、レントゲン中にわんちゃんが暴れるのを防ぐために全身麻酔での検査が必要です。

埋伏歯の犬の治療

手術

埋伏歯の周囲の骨をとかしてしまう顎骨嚢胞や隣接する歯の位置の変化、また慢性的な痛みを伴う場合に選択される治療法です。場合によっては、周囲の骨を溶かしてしまう嚢胞の発現を防ぐための予防療法として選択される場合があります。

未萌出の歯が萌出する可能性がある幼い時期(1歳未満)に発見された場合は、歯の萌出を促すために歯茎の手術を行います。1歳を超えたわんちゃんの萌出していない歯については、抜歯が推奨されています。埋伏歯は、歯原性嚢胞の形成を促す可能性があり、これが大きくなると他の歯や周囲の骨に影響を与えるため、手術が必須です。

埋伏歯を抜歯した犬のその後

ほとんどの場合は、無事に回復していつも通りの生活ができるようになります。フードに関しても、食べられるのであればドライのものを与えても構いません。

少しでも「わんちゃんの様子がおかしいな…」と思ったら、まずは獣医師に連れていきましょう。迅速な診断と治療、そして適切なフォローアップを受けてわんちゃんの健康状態を常に観察することが大事になってきます。

どこの動物病院が良いか迷ったら…

KINS WITH動物病院では、わんちゃんの歯を生涯ずっと残すために、歯科検査をもとに治療だけではなく予防まで最適な治療方針を獣医師が提案いたします。歯科に強みを持ったドクターが在籍しており、今回紹介している埋伏歯を見つけるための歯科専用レントゲンを導入しています。治療だけではなく、アフターケアでもわんちゃんに寄り添い、ご家族が実践しやすい毎日のセルフケアをレクチャーいたします。

担当医師のご紹介
二子玉川院 院長 岡田 純一

KINS WITH動物病院、院長の岡田純一です。当院では愛犬さん、愛猫さん、ご家族の抱えるトラブルに対し、症状をなくすことはもちろん、なるべく根本から解決することを目指しています。
高性能な機器を用いた安全で正確な処置はもちろん、常在菌に着目したアプローチや、お家での生活に対するアドバイスまで丁寧に対応致します。
もちろん手技の技術を向上させるための鍛錬も日々欠かさず行なっております。
愛犬さん、愛猫さんとご家族が元気いっぱいで幸せな時間をなるべく長く過ごすお手伝いができるよう、努めて参ります。よろしくお願い致します。