
食欲があるのに犬が下痢をするとき
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「わんちゃんに蕁麻疹ができた…」
「かゆそうにしている…」
どのわんちゃんにでも起こりうるアレルギー。
そのままにしておくと命に関わることがあります。
ぜひこの記事をチェックしてみてくださいね。
アレルギーとは、アレルゲンと呼ばれる特定の物質に対する免疫系の過剰反応または過敏症の状態のことをいいます。このアレルゲンは、アレルギーの原因となる物質のことで、主に植物、昆虫、動物、またはタンパク質の食品があげられます。一般的に、数ヶ月から数年にわたりアレルゲンが免疫系を刺激することにより過剰反応が引き起こされます。通常、免疫反応は犬を感染や疾患から守っていますが、アレルギーは免疫反応が過度に作用して体に害を及ぼすことがあります。
わんちゃんは、食べ物や虫刺され、花粉や菌の胞子の吸入が原因でアレルギーになることがあります。わんちゃんがアレルゲンにさらされると、免疫反応が引き起こされ、ヒスタミンがたくさん生成されます。このヒスタミンは、体内で自然に発生する化学物質ですが、多くなりすぎるとわんちゃんに炎症、かゆみ、腫れなどの多くの不快感を感じることがあります。
わんちゃんがアレルギーになった時には、どのような症状が出るのでしょうか?症状ごとにご紹介します。
かゆみや蕁麻疹の症状がある
わんちゃんが頻繁に引っ掻いたり、皮膚に蕁麻疹や赤みが見られる場合は、アレルギーの可能性がある。すべてのアレルギーに共通している症状。これらの症状とあわせて他の症状も見られる場合は、できるだけ早く獣医師に診てもらう必要がある。
わんちゃんが下痢や嘔吐をしている場合は、初期のアナフィラキシーショックの症状の可能性がある。これは、血圧低下や意識障害によって臓器に大きな影響を与えることがある。
涙目になっていたり、目やにが出ることがある。わんちゃんの上気道炎(目や鼻の炎症)は、初期症状として目やにが出る。また、目そのものにダメージがある場合の症状でもある。
もしわんちゃんが頻繁に足の皮膚を噛んだり舐めたりする場合は、何らかのアレルギーに対して反応してるサインだと言われている。
顔や鼻が腫れているわんちゃんは、大量の花粉などを吸って急性アレルギーに苦しんでいる可能性がある。また、アナフィラキシーショックの初期症状でもあるため、呼吸困難などを発症する場合がある。
これまで症状をみてきましたが、「うちのわんちゃん、何のアレルギーだろう…?」と疑問に思う飼い主さまが多いかと思います。異変に気づいたら獣医師へ連れていき、検査をしてもらいましょう。
皮膚検査では、少量のアレルゲンをわんちゃんの皮膚に注射します。基本的には鎮静化または全身麻酔をした上で行われます。アレルゲンに対する「陽性反応」は、蕁麻疹のような目に見える腫れとして現れ、通常は20分以内で結果がわかります。腫れがない場合はその特定のアレルゲンに対してアレルギーを持っていないと判断されます。
血液検査では、わんちゃんから採血をしアレルゲン特異的抗体(IgE)という免疫の量を調べます。この免疫量が多くなると、わんちゃんは不調を感じ鼻水やくしゃみなどのアレルギー反応が強くなります。皮膚テストのように全身麻酔をする必要がなく長期間の投薬をやめずに済むため、簡単な検査方法として知られていますが、皮膚検査より精度は劣ります。
◇概要
ノミアレルギーは、わんちゃんのアレルギーの中で最も一般的なもので、主に寄生虫のノミが皮膚に付着し刺されることで強い痒みを引き起こします。ほとんどのわんちゃんはノミに刺されても問題ありませんが、アレルギー体質の犬は患部をひどく引っ掻いたり、噛んだりするほど激しい反応を示すことがあります。
◇治療
激しいかゆみを伴う場合は、抗ヒスタミンまたはコルチコステロイドを処方して、急性アレルギー反応をブロックし、緩和することができます。もし細菌感染が確認された場合は、抗生物質が処方されます。わんちゃんの生活環境を常に清潔にしておくことで、ノミアレルギーの発症するリスクを抑えることができます。
◇概要
アトピーは皮膚のかゆみを伴うアレルギー症状です。スギなどの木の花粉やブタクサなどの草の花粉、カビやダニへの暴露が原因となり発症するケースがあります。アトピーの多くは1歳から3歳の間に発症し、複数のアレルゲンに反応することが多く、ノミアレルギーや食物アレルギーを併発することがよくあります。
◇治療
アトピーの治療方法には、主に3つあります。
抗炎症療法
コルチコステロイドなどの抗炎症薬または抗ヒスタミン薬による治療は、重度のアレルギー反応を緩和する作用がある。しかし、コルチコステロイドには高血圧や血糖値の上昇などの副作用があるため、一時的な治療として使用される。
免疫療法
検査の結果をもとに特定のアレルゲンを投与することで、わんちゃんの体をアレルゲンに慣らし、アレルギー反応を和らげる治療。症状を軽減させ、ステロイドなど副作用のある薬への依存を減らす目的がある。
シャンプー療法
低刺激のシャンプーで入浴をすると、かゆみや炎症を起こした肌への影響を和らげるだけではなく、わんちゃんの毛についたアレルゲンを洗い流すこともできる。
◇概要
食物アレルギーは、乳製品、肉、小麦、大豆食物のほとんどのタンパク質や炭水化物によって発症する場合があります。ほぼ全ての年齢で発症する可能性があり、かゆみ、嘔吐といった症状があります。
◇治療
食物アレルギーのわんちゃんは、免疫反応を抑えるコルチコステロイドの投与をすることで薬の症状を和らげることができますが、重要なことは食事の原因となる成分を特定し、それらを取り除いていくことです。そのため、食事やおやつの原材料をチェックし、適切な食事を心がけることが大事です。
アレルギーになったわんちゃんを完治させることはできませんが、これまで見てきたように基本的には投薬によって対処できることがほとんどです。しかし、アレルギーの発症はいつ起こるかわからないため、日々の生活の中で予防していくことが大事です。例えば、ノミアレルギーの場合はノミを発生させないように掃除をして清潔にしたり、食物アレルギーの場合は食事の原材料を常に把握しておくことなどが挙げられます。
わんちゃんの様子に少しでも違和感がある場合には、まずは獣医師に連れて行きましょう。迅速な治療と適切なフォローアップを受けて、わんちゃんの健康に寄り添ってあげることが大事になってきます。