食欲があるのに犬が下痢をするとき
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最近わんちゃんの元気がない…
ちょっと痩せてきた…?
急に体調が悪くなった…
今回は腎不全とは何かをご紹介します。私でも気づけるか、どんな症状があるのか、治療方法はあるのか。この記事でチェックしてみてくださいね。
腎不全とは、腎臓が機能しなくなることにより、からだにさまざまな悪影響を及ぼす病気です。健康なわんちゃんの腎臓は、体内の栄養素のバランスを取り、おしっことして老廃物を排出するはたらきがあります。しかし、腎不全になると、腎臓が正常な機能を果たさなくなります。
腎不全のわんちゃんが見せる症状には、さまざまなものがあります。これらの症状のいずれかに気づいた場合は、獣医師に検査をしてもらいましょう。
など
腎不全は、腎臓が正常に機能しなくなり、わんちゃんのからだの中の老廃物を適切に排出できなくなることによって起こる病気ですが、それを引き起こす原因はいくつかあります。
先天性疾患
生まれつきの病気で、一方または両方の腎臓がない状態である場合に引き起こす可能性があります。
細菌感染
レプトスピラ症などの細菌感染によって、腎臓が炎症を起こし、腎臓内の細胞が攻撃されることがあります。汚い水の中を泳いだりその水を飲んだりすることによって引き起こされます。
中毒症
多いものは「百合の花」や「ブドウ」のような食べ物、私たちが良く飲むくすりを摂取した時に、腎臓の細胞を損傷することがあります。
歯の病気
わんちゃんの歯や歯茎に細菌が溜まると、歯の病気が進行することがあります。その細菌が犬の血液や臓器に入り込み、腎臓だけではなく心臓、肝臓に損傷を与える可能性があります。
老年性症候群
わんちゃんが歳をとるにつれて、からだの中の細胞が壊れていきます。これにより、腎不全につながる可能性があります。
腎不全のわんちゃんが示す初期症状は、過度の喉の渇きによって水をたくさん飲み、尿量が多くなる傾向があるようです。
そのほかに、
といった症状がみられるようになります。
もし、飼い主さまが気づいた場合は、一度獣医師に相談してみることをおすすめします。
腎不全が進行してくると、さまざまな症状が出てくることをここまでみてきました。
実は、わんちゃんの腎不全には、血中老廃物の上昇具合や尿中のタンパク質の量によって重症度を測る「ステージ」というものがあります。このステージは、1から4まで(4が最も深刻)で分類され、ステージ番号が高いほど、症状が現れてきます。
ステージ1
初期の腎臓病。症状はほとんど現れないため、血液検査・尿検査だけでは見落とされる可能性がある。平均生存期間は400日以上。
ステージ2
軽度の慢性腎臓病。ステージ1と同じ無症状もしくは、食欲不振や無気力状態になることがある。平均生存期間は、200〜400日程度。
ステージ3
中等度の慢性腎臓病。断続的な食欲不振、毛並みの変化、嘔吐/下痢、無気力、血尿などの症状が見られることが多くなる。平均生存期間は、110~200日程度。
ステージ4
末期の腎不全。ステージ4のほとんどの犬は、これまでに挙げたすべての症状が現れる。最悪の場合には、わんちゃんをこれ以上苦しませないように支持療法(緩和ケアのようなもの)をすることが多い。平均生存期間の中央値は14日~80日。
このように、腎不全のステージが上がれば上がるほど、愛犬にとって辛い症状が見られます。
少しでも腎不全の症状に心当たりがあれば、できるだけ早く病院に行くことをおすすめします。
東京都の二子玉川・立川にあるKINS WITH動物病院では、一般診療も受け付けています。
愛犬がいつまでも健康で、飼い主さまと共にしあわせに過ごせるよう、治療のご提案をさせていただきます。
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腎不全の治療は、他の多くの疾患と同様に、犬の健康状態や腎臓の根本的な問題が何かによって変わります。それを診断するために、血液検査や尿検査を行い、その結果から異常がある部分の解消を目的とした治療が行われます。
輸液をする
急性腎不全の初期治療です。この輸液は、わんちゃんのからだの中の水分量を調節し、血中の毒素を腎臓から洗い流す役割があります。
投薬する
腎不全の原因が感染症であることがわかっている場合、あるいはその疑いがある場合には、抗生物質が投与されます。その他の症状が見られる場合は、それぞれに対応したお薬を投与することで症状を和らげていきます。
栄養チューブを使う
犬の腎不全は、体力を消耗したり食欲不振になることがあります。そのため、一時的に栄養チューブを使い、栄養補給をすることで容態を安定させる効果があります。
モニタリングする
急性腎不全のわんちゃんの容態は、急に変化することがあります。血圧、体重、心電図、血液検査などを繰り返し行います。また、尿の量を測定するために尿道カテーテルを入れる場合もあります。
腎不全が進行したわんちゃんにとっての理想的な食事は、腎臓の負担を軽減する低タンパク、低リンが良いとされています。ドッグフードを選ぶ際には、この2つの栄養素を気にしながら選ぶ必要があります。では、なぜ低タンパク・低リンがいいのでしょうか。
なぜ低タンパクがいいのか
腎不全のわんちゃんの食事に含まれるタンパク質を減らすと、タンパク質の代謝に伴って生じる老廃物の量を減らすことができ、腎臓のろ過システムに入るタンパク質の量を減らすことができるからです。つまり、タンパク質を減らした食事を与えることで腎臓にかかる負担を減らし、機能をより長く維持することができます。
なぜ低リンがいいのか
わんちゃんの腎臓が機能しなくなり始めると、血液中のリンの必然的に濃度が高くなるからです。リンの濃度が高くなると、ビタミンDが不足したりカルシウムの代謝能力が低下するなどさまざまな悪影響があると言われています。腎臓に負荷を与えないために、食事によってリンの低い食事をすることで、血中リン濃度を正常化し、病気の進行を遅らせることにつながります。
ぴったりのドッグフードを選ぶ
ほとんどの市販のドッグフードには、腎不全のわんちゃんには栄養価が高すぎる可能性があります。
「どんな食事をさせてあげればいいんだろう?」
わんちゃんの最適な食事に関しては、獣医師に相談してみましょう。
腎不全のわんちゃんが食欲不振の症状があることは、これまで書いてきました。
しかし栄養不足と体重の減少は寿命に直結するため、しっかり食べてもらうためにも普段の食事に少しアクセントを加えることが重要です。
ドッグフードを変えてみる
これまで口にしていた食べ物は、栄養価が高すぎるためわんちゃんに負担をかけているかもしれません。体に負担のかからない低タンパク・低リンの食事に変えてみることが大事です。
一方で腎臓病用のドッグフードは嗜好性が低く、中にはなかなか食べてくれないわんちゃんもいらっしゃいます。獣医師との相談の上で何かトッピングを行ったり、場合によっては食欲を刺激するお薬を使用するケースもあります。
あたためてみる
犬はにおいにとても敏感です。常温のドッグフードではなく、電子レンジで数秒温めてみたり、ぬるま湯でふやかしてみてください。そうすると、香りが出てくるため食いつきがこれまでと変わる可能性があります。
急性腎不全も慢性腎不全は、進行を遅らせることはできますが、ほとんどの場合は死に至る病気です。愛犬の今後や回復期間については獣医師とよく話し合うといいでしょう。
そして、わんちゃんに「腎不全の症状がありそうだな…」と少しでも思ったら、まずは獣医師に連れて行くことをおすすめします。迅速な診断と治療、そして適切なフォローアップを受けてわんちゃんの健康状態を観察することが大事になってきます。
健康診断、予防接種、去勢避妊手術はもちろん、内科・ 消化器等の幅広い診療、終末期診療まで、たくさんのお悩みに寄り添いながら診察を行います。
愛犬・愛猫だけでなく、ご家族にも安心してお越しいただけるよう、基本的にはご家族の前で検査を行い、丁寧にお話を伺いながら診察を進めていきます。そのため、超音波検査も診察室の中に設置しております。
さらに、 血液検査機器を導入し、外部機関への依頼では数日かかる検査を、その場で見る事ができ、素早く診断、治療することへとつなげていきます。